今日の札幌は大雪
もう、“ぬかるむ”ほどの雪 雪 雪
こういう時はひきこもるのが一番だけれど、気分が少し落ち込み気味だったので、
思い切って外に出た。出たが、雪だから、映画館に逃げ込んだ。
何にしようかなと迷って、V6の岡田君が好きだったから、“永遠の〇”を選んだ。
百田尚樹さんの物の考え方は、このたびの都知事選を見ていてもちょっと眉をしかめてしまうが、
この原作は、彼がテレビによく出るようになる前に読んでいた。
面白かった。
岡田君、本当にいい男になったよね…それに、役者としても一回り大きくなったような感じがする。
だから“いい役”がいろいろ回ってきているんだろうなあ・・・?
戦争賛美になってしまうところを、岡田君が抑えに抑えた演技で微妙な線に落ち着かせている。
現代の場面に出てきた名優たちの語りも見ものだった。それと対等の位置にいるから、岡田君この役大変だったと思う。
三浦春馬君は、ちょっと残念だったかな・・・ま、彼の実力はこんなところなんだろう。
あの役は結構大事なものだ。どういう風に演じるかで、この映画の未来への姿勢が示されるはずだった。
監督さんは、それを導き出せなかったのかなあ?
反対に言うと、はっきりとさせないための三浦春馬君だったのかなあと、勘繰ってしまう。
4回も司法試験に失敗している説得力もなかったなあ。
私のまわりにもこういう人がいるが、当然だが、この試練は結構なもんで人格が育てられる。
春馬君のそれは、単に受験に失敗している高校生のもののようだった。
まあ、それはまず物語に影響はされないが、何より惜しいなあと思ったのは、
祖父の事が大分わかってきた時期に、友人たちの合コンに誘われる場面がある。
ここは大事な場面だった。が、三浦君、ちょっと演じ切れていない。
とてももったいないし、残念だ。
あそこは、現代の若者気質が提示される象徴的なシーンになるはずだったのになあ。
私の亡くなった父も学徒出陣だった。
古いアルバムに白い軍服にサーベルを下げ、実にかっこいい父の写真が残っている。
海軍に入隊、戦闘機乗りになった。
そう、ゼロ戦、特攻隊だ。幸いなことに資材不足でゼロ戦が無く、待っている間に終戦を迎えたそうだ。
だが、特攻隊に付き添う役目は何度かしたようだ。
映画に出てきたような護衛ではなく、戦火を報告する役目があったそうだ。単座ではなく複座、はるかかなたで特攻隊についていくそうだ。
パイロットは操縦専門、後ろの席から下の様子をしっかり観察するのだそうだ。
そして基地に戻ってから報告するという仕事だったようだ。
父が言っていた。
「船にたどり着くのも大変なら、どんなに肝が据わっている人でもなかなか空母にまっすぐつっこむことなんかできやしない。
最後の最後にくいとどうしても機首を上げてしまう。そうすると空母の腹にぶつかる事が出来なくなってな」
と、淡々と言っていた。
ああ、二度と、若い命をこんなことに使ってはいけない。
世代を超えて人気のこの映画が、積極的平和主義への道しるべにならないように、
切に、切に祈っている。