見逃した映画や、古い映画・興味があったけど見なかった映画・忙しくて映画どころじゃない頃の映画・・・などを、今ツタヤディスカスで定期レンタルしている。
今年の4月に公開された『わが母の記』
井上靖の原作で役所広司、樹木希林、宮崎あおい出演
学生の頃『しろばんば』を読んで、井上靖の事は少し知っていたから内容がわかりやすく、興味深く楽しめた。
特に樹木希林の演技は素晴らしいと思った。
原作が自叙伝なので、事実の事。母ってこんななんですよね!!
主人公の母八重は夫の赴任先へ家族で行くについて、息子(5歳)を日本に置いて行く。息子の洪作はそれから8年間「土蔵のばあちゃん」と呼ぶ育ての母と暮らす事になり、洪作は実母から置き去りにされた、捨てられたとずっと思っている。
八重は戻ってから何度も息子を迎えに行くが手元に戻すことは叶わず、認知症で記憶がなくなる中で息子洪作の事だけが記憶に残るのです。
今一緒に暮らしている目の前の息子を息子と認識することなく・・・
息子を置き去りにしたのではなく、船旅をするにあたってもしもの事があって血筋が途絶えてはご先祖様に申し訳ないという、その頃の考え方でやむを得ない事だったんですね。
洪作も最後にはその母の思いを知る事になり、感動のシーンを迎えるのです。
1959年から1973年までの10数年の流れの中で、昭和の良い時代が描かれている。
認知症(その頃は耄碌したと言っていた)のお年寄りを家族みんなで支え、話を聞き、家族の一員として大事にしている。
今、一人暮らしの高齢者がこれからも増え続けることが解っている日本の社会。とてもこの映画のような多くの兄弟や家族は考えられず、少子化は益々深刻化している。
ほんとうに昭和の良き時代、といった感じですね。
2日続けて見てしまいました。とっても良い作品です。感動しました!!