日々のこと

可もなく不可もなく

『ラッシュライフ』-伊坂 幸太郎-

2013-02-20 17:02:05 | 映画DVD&本
 久し振りの伊坂幸太郎の本です。

大崎梢や加納朋子とか、女性作家の本がワタシは好きだな。
平和な内容で、日常にありそうな事で、楽しい生活を描いたような・・・そう!絵本のような内容がいい^^!

今回読んだラッシュライフもとってもハードな場面が出てくる。
複数の伊坂ワールドに登場する、泥棒を生業とするKが今回は頻繁に、ほとんど主役のように活躍していた。

ラッシュとタイトルにあるように、数日(3日くらい?)の5人の様々な出来事を、それぞれを主役にして書いている。伊坂さんらしい構成。
その全部にKが少なからず関係している。
若者が殺人をしてしまうマンションの隣に住んでいて、浮気をしている妻に殺される予定になっていた旦那の同級生で、失業者が拾った犬の首輪に海外の宝くじ(高額当選らしい)を忍ばせて置いたり、、、
泥棒が生業のKは、人を傷つけるとか陥れるとか悪人の面は全くなく、こんな風に開き直って生きるのも、物語の中だから許せるかと思ってしまう人物像。
この人が出てくるとホッとする><;

伊坂ワールドは読んでいて楽しくない事に気付いた。グラスホッパーは怖くて5分の1程読んで返却してしまったし><;
『死神の精度』『陽気なギャングが地球を回す』『アヒルと鴨のコインロッカー』『重力ピエロ』『ゴールデンスランバー』などは面白かったけど、ラッシュライフはこの中には入らない。

先日、ロシアに隕石が落下して、その爆風でガラスが壊れて1000人もの人が怪我をし、隕石が落下したと思われる場所の穴の大きさ・・・・『終末のフール』を思い出す。大きな隕石が地球とぶつかれば、人類は終りなんですね!



また大崎梢や加納朋子のほっこりした本に戻ろうと思う^^;あっでも、『フィッシュストーリー』を読んでみようかな。
コメント

『魔法飛行』-加納 朋子-

2013-02-07 21:11:39 | 映画DVD&本
『ななつのこ』に引き続き、入江駒子シリーズ第二作『魔法飛行』

連続短編4作からなり、最終編ハロー、エンデバーでこれが繋がってくる。

前作同様、駒子の日常に起こった小さな謎が、短大生である駒子の学生生活や交友関係の日常を描きながら書かれている。
文章で絵を書くように、読み手に場面がまざまざと浮かぶ。それだけではなく構成や面白い物語を考える才能をすごいな!と思う。

2作とも駒子が体験したことを小説にし、それに手紙を添えて瀬尾さんに読んでもらう。そして駒子が疑問に思ったことを瀬尾さんが解き明かす。
さらに今回は謎の手紙が3通届いていて、その手紙がワタシにはとても意味が分からず、何かわからないけど引っかかったまま読み進めていくと、最後の章で判明するが、各章に深くかかわっていた人からの手紙だった。

そう、短編というよりそれぞれに名前が付いているが、4章からなる長編小説と言っても良い流れがある。


ここに、気に入った言葉を書き留めておいても問題ないでしょうかネ??

*油彩画集を見て美大の学生のセリフ「いかにもって感じの風景ばっかしじゃん?きれいな風景を、見たまんまの形で切り取りたいんだったら、カメラを使えばいいのよ。・・・・ようするに絵葉書なのよ、どれもこれも」

*私がいるこの世界はすべて、物語の中の虚構に過ぎないのではないか?私が体験する出来事はすべて物語の中の1シーンであり、口にする言葉はみんな、薄い紙の上に印刷されたセリフに過ぎないのではないか?私や私の周りにいる人たちは皆、物語の登場人物たる役目を担わされていて、結末を知らされていない物語の進行に従い、日々、日常を繰り返しているのではないだろうか?

*あなたが男性ならば、自分を愛する女性から「魔法を見せて」と望まれていることを忘れてはならない。そして、あなたが女性だったなら、愛する男性の魔法を信じて欲しい。by有栖川有栖
コメント