
有吉佐和子の35年前の本です。
彼女の本は、「華岡青洲の妻」や「恍惚の人」「複合汚染」などけっこう読んでいた。
私の印象では、長編を書く硬い人というイメージがある。
「青い壺」は13話からなる短編集で、全編に1つの青い壺が登場する。
10余年の間に持ち主が変わっていき、その人たちの様々が描かれている。
35年前の社会状況や医療の様子、家族環境などとても興味深い。
白内障の手術ってそんな感じだった。
相続の争いはいつの時代も一緒だな。
定年退職した夫との付き合い方に悩む主婦は、今も変わらないみたい。
等々、私が生きてきた時代だが、今とはずいぶんと隔世の感がある。懐かしくほっこりする^^
スペインにまで持ち出されてしまった青い壺だが、スペインに仕事で旅していた古美術の評論家が掘り出し物!と喜んで日本へ大事に持ち帰る。
第一話に出てきた陶芸家でこの壺の製作者が、第13話(最終)でこの鑑定においては第一人者とされる彼が持ち帰った青い壺と対面する。
800年前の青磁の壺と信じて疑わない評論家と、自分が焼いた壺だと打ち明ける陶芸家。
さて、この壺の運命やいかに????続きを書いた本はないのかな?海堂尊の本のように^^;