経済界が野田佳彦政権との「蜜月」を模索している。菅直人政権末期はほぼ没交渉だったが、野田政権発足で雪解けムードが広がり、政府・与党との根回しによる政策調整も復活。
経済界と距離がある枝野幸男経済産業相との関係構築が今後のカギとなりそうだ。「政府の東京電力への要
求はあまりに一方的だ」。経団連の米倉弘昌会長は26日、枝野経産相が東電に厳しいコスト削減を求めたことに苦言を呈した。
米倉氏は菅政権時代から、震災や原発事故の対応を巡る枝野発言(当時は官房長官)を批判。経産相就任時にも「もっと経済を勉強してもらわないと」と注文を付けた。
枝野氏は20日の経団連との懇談会で「人の意見を聞かずに思いつきで政策を進めるようなことはしない」と対話路線を強調したが、直後に「東電の給与を公務員並みに」と発言。両者にまだ開きがある。
ただ菅政権時代とは違う。経団連は民主党が野党だった2007年ごろから「ほとんど経団連と考え方が同じ」 (関係者)野田氏に目をつけ、主だった副会長らと引き合わせてきた。
米倉氏はその1人だった。米倉氏は成長戦略のカギを握る古川元久国家戦略相とも、スイスで開かれる世界経済フォーラムの年次総会 (ダボス会議)への参加を通じ、旧知の仲だ。
経団連は従来、経産省と組んで政策調整してきたが、今後は「全方位型」(米倉氏)に切り替える。復興財源を巡る法人税の扱いでは、経団連が提言した5%減税の3年圧縮案が政府税制調査会の案に盛り込まれるなど“野田効果”で連携できるようになってきた」(経団連幹部)。
当面の最大の経済課題は環太平洋経済連携協定(TPP)への交渉参加を巡る議論だ。11月がヤマ場となるが、キーマンとなる枝野経産相は「国民の一定の合意形成に向け努力する」と経団連に伝えた。
TPPの結論が、野田政権との関係を盤石にできるのかの試金石となりそうだ。(腰)
経済界と距離がある枝野幸男経済産業相との関係構築が今後のカギとなりそうだ。「政府の東京電力への要
求はあまりに一方的だ」。経団連の米倉弘昌会長は26日、枝野経産相が東電に厳しいコスト削減を求めたことに苦言を呈した。
米倉氏は菅政権時代から、震災や原発事故の対応を巡る枝野発言(当時は官房長官)を批判。経産相就任時にも「もっと経済を勉強してもらわないと」と注文を付けた。
枝野氏は20日の経団連との懇談会で「人の意見を聞かずに思いつきで政策を進めるようなことはしない」と対話路線を強調したが、直後に「東電の給与を公務員並みに」と発言。両者にまだ開きがある。
ただ菅政権時代とは違う。経団連は民主党が野党だった2007年ごろから「ほとんど経団連と考え方が同じ」 (関係者)野田氏に目をつけ、主だった副会長らと引き合わせてきた。
米倉氏はその1人だった。米倉氏は成長戦略のカギを握る古川元久国家戦略相とも、スイスで開かれる世界経済フォーラムの年次総会 (ダボス会議)への参加を通じ、旧知の仲だ。
経団連は従来、経産省と組んで政策調整してきたが、今後は「全方位型」(米倉氏)に切り替える。復興財源を巡る法人税の扱いでは、経団連が提言した5%減税の3年圧縮案が政府税制調査会の案に盛り込まれるなど“野田効果”で連携できるようになってきた」(経団連幹部)。
当面の最大の経済課題は環太平洋経済連携協定(TPP)への交渉参加を巡る議論だ。11月がヤマ場となるが、キーマンとなる枝野経産相は「国民の一定の合意形成に向け努力する」と経団連に伝えた。
TPPの結論が、野田政権との関係を盤石にできるのかの試金石となりそうだ。(腰)