高麗橋桜花店主 徒然日記ー料理人はどこまでできるのか ー

「高麗橋桜花」店主森田龍彦の思ったことを綴る日記のようなものですので個人的感想にとどまるということご了承下さいね。

都市の中の農空間

2008-04-30 | 農業・食育・食文化について

Dscn3784  先週の日曜日に、新金岡の畑で大有研で『畑で実践!都会人のための有機野菜づくりセミナー』を開催しました。

 

Dscn3776  私が代表になって、はじめてのイベント。でも、ちゃんと周りのスタッフの方々が運営をフォローしてくださるので、私のすることは何も変わりません。ただひとつ変わったとすれば、より人前で話すことが増えたとこういうとかなー。 今回の講師の今野さんには、いつもいろいろとお世話になってます、ありがとうございます。

Dscn3790  さて、なにもないところから耕運機を使いながらですが、畝をたて、元肥をまき、さつまいもやとうもろこし、ピーマン・トマトの定植までをおこないました。(とうもろこしなどには雑草を利用しての草マルチです。)

 

 水やりは近くを流れる用水路から皆で人海戦術で行い、すべて機械を使わずに達成出来たことに自己満足でした。

Dscn3789  この日は天気も良くて、とても気持ち良かったです。

 そして、都市の中にある農空間には、雑草の中にしぎの巣があったり、土からはカエルやトカゲ、カブトムシの幼虫が埋まっていたり、生命の営みを感じることが出来ました。

 料理人としてどこまでも上質にこだわりたい思いと、一個人としてこのように育てられた野菜たちを受け止めたい気持ち、この二つが両方満たされるように日本の農業が発展してくれると嬉しいです。

Dscn3788  そのためには、やはり消費者の方にもっと土にふれてもらって、農業をもっと身近に感じてもらって、より生産現場を大切に出来るようなってもらいたいと思います。

 もう手遅れかもしれませんが、それだけ日本の農業は衰退しているし、いつまでも海外からの輸入に頼っていられない現実がそこにあるのです。ついついそんな当たり前で大切なことを忘れてしまいそうになる都市での生活の中で、改めて農にふれあうことの大切を感じた一日でした。

 

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第3回 若手勉強会

2008-04-02 | 農業・食育・食文化について

 大有研の総会後、急いで移動して空堀のこんぶ土居さんへ。

 今回で第3回目となる、若手勉強会。

 今回の参加者は、土居さんと犬鳴ポークの川上さん、そして私の茶道の先生の山根さんと私の4人。残念ながらこれまでで一番少ない人数となりましたが、終わってみればそれはそれで盛り上がったように思います。

 今回のテーマは、日本料理考。

 タイトルはかなり大げさですが、現在私が日本料理に携わって疑問に思うことを皆さんとお話しようと思ったのです。

 まずは、ほんと簡単に本膳料理や調理技術の流れをまとめたレジュメを読んで頂き、その後いくつかのテーマでディスカッションしました。

 その中で幾つか、印象に強く残る言葉がありました。

 なぜ、日本料理や茶道が西洋料理のルセットのように体系化したものではなく、口伝という形での継承されてきたのか?

 →文字になることで、時代背景や時代感覚がずれたまま継承される恐れがあるから。核となる部分をしっかり保ちながら、変化することの大切さ。不易流行。

 なぜ、日本語より英語などの方が表現しやすのか。

→日本語を使用することでは言葉の意味を一つに断定するが、英語だと複数の意味を持ち合わせていて、断定しなくてすむ。

 この他にもプロとは?日本人にとっての日本料理とは?現在の日本料理の現状について、など、あっという間の3時間でした。

 いろいろなジャンルで活躍する同世代が見つめる視界を感じながら、いろいろと学べた貴重な時間でした。

 

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小さな応援団からのメッセージ

2008-03-23 | 農業・食育・食文化について

 先日講師を務めた中学校の生徒達から、私宛への感想文が届きました。

 いつもとは異なるだろう、丁寧な文体に少し笑ってしまいました。なにせ、拝啓から始まって 時候の挨拶まで書いてますから。

 内容は、思った以上に長く、丁寧に、そして具体的に書いてあり、少しびっくりしました。

 出汁の飲み比べて、改めて昆布と鰹節の出汁が美味しかったこと。
 料理人の仕事は時間が長いことや、途中でやめる人が多いこと。
 食べてくれる人の笑顔のために、頑張ってもイイな、と思ったこと。
 私が料理の事を本当に楽しそうに話していたこと。などなど。

 皆、凄く素敵な感想を書いてくれました、ありがとう!!

 今、少しでも食材のことや食事のことを知ってもらって、食自体を大切に思ってくれる人を増やさないと、 これから食べ物を取り巻く環境はますます悪くなっていくよー。

 もっと遊びたい、眠りたい、ラクしたい、効率よく生きたい、カッコつけたいと思うこともあるけど、今はぐっと我慢の時。
 応援してくれる方達に応えることが出来る様に、 自分自身にかかげた目標を達成出来るように、 今は一個人としても、料理人としても一生懸命に地力をつけますね。

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食を素敵にするということ

2008-03-20 | 農業・食育・食文化について

 最近、PCの調子が悪くて、困っております。

 さて、先日ヴィーニ・ジャポンという自然派ワインの造り手を招いた、ワインの試飲会に参加してきました。

 日本酒専門店で料理をつくるようになってから、お酒と料理を相性を考えるようになってます。そこから、味をみるということに新たな感覚が生まれ始めて、今回もワインと日本料理の接点を模索しながらの試飲となりました。

 最終的は、舌に残った感覚が、いつかハッ、とした気づきにつながることを楽しみにしています。

Photo ワインもさることながら、本日の一番の目的は「和鶴」の作品を拝見すること。

 ワイングッズと和の工芸品のコラボ。伝統工芸や新鋭の作家が、ワイングッズという新たな切り口にから、どのような可能性を引き出すのか。これからのますますの可能性を感じました。

 この和鶴を立ち上げたのは、地野菜とビオワインの会代表の富鶴氏。

 料理人や生産者ではありませんが、食にとても造詣が深く、また真摯に食のことを考えておられる方です。このような食を周りから応援してくれるような取り組みは、とても大切なことだと思います。また、機会がありましたら、和鶴の作品をご紹介したいと思います。

 その後、心斎橋大丸で行われている、篠原希展に。

Photo_2  初めて篠原さんの作品と出合ってから、もう2年以上が経つでしょうか。

 あれから縁があってお付き合いさせて頂いております。信楽の土を使った焼き締めは、篠原さんの人間性と同じで、それこそ土臭いです。でも、そこには作家としての、人間としてのもがきや過程が凝縮されています。なぜか、篠原さんの作品からは、独特の力強さを感じます。

 少しの時間でしたが、初めてあった頃からの作品や取組の変化をお話することが出来て良かったです。お互いにごく詳細かもしれませんが、その小さな違いを大切にできるつくり手であり続けたいですね。

 こうやって食べるということをより楽しく、素敵にして下さる方々とのお付き合いは、とても刺激的です。改めて、これから私自身も、食と農をつなげるような活動を続けていこうと再確認できました。そう、食と農をいろいろな形でコーディネートできるように。

 最後に、新進気鋭の若手作家 北野勝久さんの個展が3月26日より梅田大丸11階で開催されます。シャープなラインと繊細なデザインから生み出される磁器をどうぞご覧ください。

 http://web.kyoto-inet.or.jp/people/tosei/nagaoka/2008/08knkh.html 

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職業聞き取り学習

2008-03-09 | 農業・食育・食文化について

 今日は一か月ぶりのお休み、嬉しいです。  

Jpg  さて、今週の木曜日に、高槻にある阿武野中学校にて、職業聞き取り学習という授業の講師を務めてまりました。  

 業種の異なる8名の社会人の方を講師に、中学2年生20名ほどを対象に、仕事についてお話したり、質問に応えたりする授業です。 私は今年で3回目の参加になります。  

 まず、事前に生徒の方に「楽しい食事」って、どんな食事ですか?というアンケートに答えてもらいました。さて、一番多かった答えはなんだったでしょうか?(ちなみに中には、ゲームをしながら食べる、というのもありましたよ。)  

 授業が始まってすぐに、こちらで用意した昆布とカツオ節の出汁とホンダシの出汁の飲み比べを、生徒達にしてもらいました。 (結果、9割方の生徒さんが前者の出汁の方が美味しいと答えてくれました。まだまだ次世代の味覚感覚も捨てたもんじゃないということですね。)  

 お話出来る時間が30分程と限られているので、仕事についてあまり詳しいことは話を出来ませんでしたが、労働時間の長さを言った時には、流石に生徒の皆さんは少しビックリしていましたよ。。(あと、国内の有機農産物の生産率の低さにも。。) 

 その中で、私が伝えたかったことは、 ①今の勉強に無駄なことは無いので、ちゃんと頑張って欲しいこと。 ②どんな職業でも辛いことを楽しめるように、積極的になること。 ③自分の夢をあきらめずに、継続する大切さを感じること。 ④これから普段から食べること、味わうことを大切にして、 食を楽しむこと。  授業の最後、生徒さんからの質問がたくさんのあったのは、ちょっと嬉しかったな。。  

 控え室まで送ってくれた女子生徒が「とても感動したし、勉強になりました。」と言ってくれたので、私も感動しました。  料理人として、まだまだ研鑽を積まないといけないことがたくさんありますが、今回の授業で私も初心に戻って、頑張ろうと思えました。うん、良かった。良かった。  さて、アンケートで一番多かった答えは、「たくさんの人と笑いながら食べる食事。」でした。皆さんの楽しい食事は如何ですか。

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