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高麗橋桜花店主 徒然日記ー料理人はどこまでできるのか ー

「高麗橋桜花」店主森田龍彦の思ったことを綴る日記のようなものですので個人的感想にとどまるということご了承下さいね。

犬鳴ポーク 川上さん訪問

2006-05-25 | 生産者訪問

 大阪泉州 犬鳴山の山麓に犬鳴ポークの川上さんの養豚場はあります。

 私が知る限りでは、大阪で唯一の養豚生産者さんではないでしょうか。最近では浪速魚菜の試食会や市内のレストランでも見かけることも増えてきましたね。

 川上さんの養豚の特徴はなんといってもリサイクル飼料を使っていることです。近くにある泉佐野市食品コンビナートなどから人間が食べることが出来る食品残渣(=食品の残り物)を乾燥・乳酸発酵などを経て、豚さんの90%の肥料にしているいまいます。パンやちくわ・ラーメン・うどん・古くなった備蓄米などのでんぷん質とコーンフレークの粉・粉糖やふすま(小麦などの籾殻)を与えているそうです。

Dscn1616  養豚の一般的な餌はとうもろこしなどの脂質の多いものを与えて生育を早めるそうですが、上記のようなでんぷん質主体の餌を与えるために、通常の出荷が生後6ヶ月なのに対して、1~2ヶ月間長く飼育するそうです。また、飼育期間を長くすることにより、大きさ自体は小柄ながらも質の良い肉質になるそうです。(画像は生まれて数日しか経っていない子豚さんです。)

 今、格安の豚肉の多くは、ウインドレス呼ばれる飼育方法だそうです。窓のない真っ暗な部屋で育てることにより子豚の成長を早め、手間がかかりません。しかし、抵抗力も弱まります。それは当然のことで、窓のない真っ暗な部屋や無菌に近いような環境で自分が生活できることが想像出来ますか?そうとても不自然な環境で育てられたものが、私達の周りに当たり前のように流通しているのです。

 川上さんは、最後にブランド豚の生産者としてではなくて、大変かもしれないが大阪で頑張っている生産者の一人として今回のことを受け止めて欲しいとおっしゃっていました。

 週に一度、自ら朝市でお客さんとの対面販売を行っています。その中で、如何に偏った情報や知識が浸透しているかを身をもって体感しているそうです。でも、お客様が朝早くから犬鳴ポークを楽しみ買いに来てくれる姿を見ると、さらに大切にしていきたいと思うそす。

 私の同世代の生産者の方が頑張っておられると、本当に刺激を受けますね。しかも、流行ではなくて、しっかりとした信念を持った生き方にもとても共感を覚えます。今度は是非、私が作った料理を川上さんに食べて頂きたいです。

 

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