高麗橋桜花店主 徒然日記ー料理人はどこまでできるのか ー

「高麗橋桜花」店主森田龍彦の思ったことを綴る日記のようなものですので個人的感想にとどまるということご了承下さいね。

浪速野菜を使った揚げ物・御飯

2005-08-13 | 料理日記

  前回紹介しました、浪速野菜を使った松花堂弁当の説明の続きです。

 鳥飼茄子の田楽 (難波味噌)ー鳥飼茄子は賀茂茄子に良く似た茄子で、今回は片栗粉をつけて揚げました。片栗粉をつけると油の吸収が抑えられるし、カリッと揚がります。また、いくつかおいしく揚げ物を揚げるコツがあるのですが、水分の多いものはある程度高温で揚げないとベチャとなりやすいので気をつけましょう。
 難波味噌の作り方玉味噌ー白味噌1kg:酒135cc:味醂135cc:砂糖120g~:卵黄4個を鍋で合わせて、最初は中火、味噌が熱くなってきたら弱火にして、15分程焦げないように混ぜましょう。味噌が冷めたら、刻んだ葱を混ぜて出来上がりです。

 玉造黒門越瓜とチーズの天麩羅砧巻き仕立てー越瓜を桂むきする。スライスチーズ、榎木、生ハムを巻き天婦羅粉につけて揚げました。チーズ、生ハムの塩分だけで十分食べられます。
 
玉造黒門越瓜―普段では行なわないような使い方をしてみました。揚げた越瓜の食感に注目してください。
 
 枝豆のおにぎりー枝豆は先に塩茹でする。昆布だし(水1Lに対して昆布3cm角程を入れ中火で水が沸騰する直前で昆布を引き上げる)10:酒1:塩で味付けした出汁でお米を焚く。(昆布だしを作る時に枝豆の鞘の部分も入れて風味を移します。)出汁は海水の辛さをイメージしていただければ良いです。
  
 切干田辺大根のあちゃら漬けー田辺大根は塩で揉んで、ぬるま湯につけて戻す。歯ごたえを少しのこして、土佐酢につける。 
  土佐酢の作り方ー酢300cc:出汁200cc:薄口50cc:砂糖50g:昆布、かつお節。すべても鍋に入れて、沸騰直前で止める。冷めたら漉す。

  気をつけたこと 
   鳥飼茄子―肉厚の鳥飼茄子は油との相性が抜群です。難波味噌は、昔のなんばで参加に葱が作れていたことから、青葱を使う料理になんばとつけることがあります。代表的なものには、鴨なんばがあります。
  田辺大根―森下先生のオリジナルの切り干大根です。切り干を戻す時は、歯ごたえを残すようにしましょう。
  八尾枝豆―小粒ですが、良い風味が特徴です。ごはんとの相性も良いです。枝豆をゆがいた後は、ザルのうけて間髪入れずに塩を振りましょう。できれば、うちわで扇ぐか扇風機で冷ますと風味も良く、色も飛びません。

   今回ご紹介した玉味噌や土佐酢は実際に私が修行時代に学んだものです。普段、家庭でつくりには面倒かもしれませんが、大切なゲストなどをもてなす時にはオススメです。自分でいうのも手前味噌で申し訳ありませんが、かなり美味しいです。 

 

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松村先生と食事

2005-08-12 | 創業について
浪速野菜の松花堂弁当の説明の途中ですが、素敵なお店と出会いましたのでご紹介したいと思います。

 実は創業を考えるようになってから、いろいろな方のご支援やアドバイスを頂いてます。
 エスパコンサルティングの松村先生もその中の一人です。松村先生は大阪の本町に事務所を構え、飲食店専門にコンサルティングを行なってらっしゃります。私は大阪市の支援制度を通じて、松村先生と出会いました。コンサルタントの仕事はいかに儲ける仕組みを考えるかということばかりと思われることも多いかもしれませんが、決してそうではありません。少なくとも私が知っている素敵なコンサルタンとの先生達は、そこに必ず生きがいや人生の目標も大切にします。
 松村先生と初めて面談させていただいた時に、自分の棚卸しをしましょう・森田さんの本当にしたいことは何ですかと訪ねられたときには正直びっくりしました。まさか事業計画を考えるはずが、自分の人生やライフプランを考えることになるなんて・・・。でも、今になってこのことが凄く大切な作業なのだと気がつくのですが。本当に松村先生に出会えて良かったです。

  そして、その松村先生に招待していただいたのが、本町にあるトゥマッチというお店です。場所はビルの2階にあるので少し分かりにくいのですが、是非探し当ててくださいね。お店はカウンターのみ(13席程)で、大将の荒木さんとホールの方の二人で切り盛りしておられます。お酒の種類も豊富にあるので、お酒の好きな方はオススメですね。
 いろいろと頂いたのですが、鯨のさえずりや馬肝とたてがみ刺し、いわしのぬか味噌炊きは本当においしくお酒がすすみます。もちろん、お酒を飲まない方に御飯や小鍋なども揃っていますので。大将のブログにリンク貼らしてもらいましたので、是非ご覧になってください。
  
 松村先生とお酒を飲みながらほんとうに楽しい時間を過ごさせていただきました。
 実はこのあと、二件目にお寿司屋さんにもご招待してきただきました。先生、すごくお強いのでびっくりです。

 松村先生、ほんとうにご馳走様でした。これからも宜しくお願いします。
  

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浪速野菜の炊きもの

2005-08-10 | 料理日記

 勝間南京のふくめ煮ー 勝間南京の皮は凄く苦いのでしっかりむいてくださいね。一度、水から焚いて6割ほど火が入れば水に落として、(出汁6:味醂1:酒1:薄口醤油1:砂糖適量:塩少々)で合わせた出汁で串がスッと刺さるまで焚いてください
 勝間南京餅ー勝間南京は皮を剥き、蒸し器で柔らかくなるまで蒸す。蒸しあがれば、裏ごす。ここに砂糖を加え、白玉粉を加えていく。耳たぶ程の固さになるまでこねる。これを一口大に丸め、火の通りがよくなるように中心をクボませる。熱湯(80度くらい)で茹でる。お餅浮いてきて2分ほど経てば、水にとって冷ます。
 
完熟毛馬胡瓜と干し海老の餡かけー毛馬胡瓜は皮を剥き、縦に半分に切って種をとる。3センチ程の長さに切る。出汁700㏄:薄口40cc:味醂15㏄:塩小さじ1/2を合わせ、ぬるま湯で戻した干し海老を加えた出汁で焚く。

 泉州玉葱の卵豆腐ー玉葱をスライスし、少量の油で炒める。少量の塩を振り、水分が出やすいようにする。玉葱がしんなりして、透明になってきたら火をとめて少し冷ます。炒めた玉葱と白だしをミキサーに入れてなめらかになるまでまわす。玉子(1個に対して180ccが目安)、薄口、塩を加えて味付けする。流し缶にながして、蒸す。
 
 羽曳野無花果の鼈甲仕立ー無花果は皮を剥き、バーナーで焼き目をつける。グラニュー糖に少しの水を加えてキャラメルをつくり、ここに無花果を入れる。キャラメルが充分に絡まったら、取り上げて冷ます。
 
  加美縞瓜の砂糖がけー縦に半分に落として、皮を剥いて種を取る。一口大に切り、ブランデーにつける。余分なブランデーを抜き、砂糖をまぶす。

  今回、気をつけたこと 
 勝間南京―和南京特有の歯ざわりと勝間南京の鮮やかな色。
 貝塚早生―玉葱の甘み・香りを前面に押し出した料理。味付けには塩しか使っておりません。
 羽曳野無花果―無花果の上品な甘みと焦がしたグラニュー糖の組み合わせ。
 毛馬胡瓜ー苦味を緩和して、風味を活かす。

 次回は揚げ物・酢の物を紹介したいと思ってます。
 何か質問があれば、書き込みしてくださいね。

 
 

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浪速野菜の松花堂弁当

2005-08-06 | 料理日記

 無事、ベジフル(野菜のソムリエ)でこの行われた浪速野菜を使った松花堂弁当をお出しすることができました。会場は以前にもこのブログで紹介しました府立食とみどりの総合技術センターです。このセンターの森下先生は浪速野菜の活動において大変重要な役割を担っており、また先生もすごく精力的に活動してらっしゃいます。
 今回のテーマは大阪地野菜の浪速のパワーで夏バテをとばそう!・・伝統野菜・夏編・・ということもあり、弁当の食材ははなるべく肉や魚などを使わず、浪速野菜だけの献立を考えました。使った浪速野菜は勝間南京・毛馬胡瓜・貝塚早生・羽曳野無花果・加美縞瓜・八尾枝豆・田辺大根(切り干)・鳥飼茄子・玉造黒門越瓜です。一度にこのように数多くの浪速野菜が集められたのは、森下先生や浪速魚菜流通部の協力のおかげでほんとうに料理人冥利に尽きます。詳しい料理の内容やレシピは後日に書きますが、少しでもこのような活動に自分が協力できたのはうれしい限りです。
 さてさて料理の評判はというと皆さん面等向かって悪いことは言い辛いでしょうが、ほとんどの弁当に食べ残しがなかったのは素直にほっとしました。中には料理の作り方を聞きに来てくださる方やこの弁当だけで参加費以上の値打ちがあると言ってくださる方、大げさなひとは吉兆の焚物よりおいしく野菜を焚けてるとほめてくださる方もいました。手伝って下さった協会の方もほんとうにおいしかったよ、言ってくれたので一安心。数多くの名料理人の浪速野菜の料理を食べてらっしゃる森下先生も認めてくれたのだから、今回は素直に喜びたいと思います。
 浪速野菜はそれぞれに個性が強く、料理の仕方がすごく難しかった。いろいろな試行錯誤の中では家族にえらく不評なものもありました。何とかそれを糧にして、今日参加された皆さんが喜んでいただけたなら幸いです。
 今日参加してくださった皆様や今回の講義に私を抜擢してくれた協会の方、いろいろと気を使って頂いた森下先生には感謝の気持ちでいっぱいです。  
 参加者の方達から「今日は美味しい料理ありがとうございます」とお礼を言われたけれど、私にとっても多くの方に浪速野菜を見てもらい、知ってもらい、味わってもらい、とても充実した一日になりました。
 自分の作った料理をおいしいといって食べてもらえる瞬間、料理人でよかったと幸せを感じます。
 

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いよいよ明日

2005-08-05 | 筆者の徒然なるままに

  いよいよ明日のせまったベジフルの講習会。今から協会のキッチンをかりて、仕込みに行きます。
 試作は繰り返し行なったので大丈夫だと思うけど、今回は条件が結構厳しい。当日、会場までの移動の時間が結構あること、会場での調理がほとんど出来ないこと。そして、この暑さ。 衛生面には細心の注意を払わないと。
 食べていただく方や協会の方に喜んでもらえるようにがんばらねば。食事は松花堂弁当で提供します。後日、このブログでも献立の内容やレシピを公開しますので、また参考にしてください。 それでは、行ってきます。

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