今日は、高槻にある阿武野中学校にて職業聞き取り学習の講師として参加しました。
今回は中学校2年生を対象に、いろいろな職業の方が講師として参加して生徒達にその職業のことについて話をするというもの。最近、中学ではこのような学習が採用されているそうです。少なくとも私が中学校の時にはこのような授業はなかったし、自分が興味のあることについて話が聞けることはとても有意義だと思います。
参加した講師の方は私を含めて9名。消防士や美容師、鉄道関係、動物愛護の方などバラエティーに富んだ職業の方々。生徒の代表の子が、講師である私達の控え室に出迎えに来てくれて、教室まで案内してくれました。
久しぶりの学校の教壇。大学時代の教育実習以来です。 十数人の男子と3人の女子が、私の体験話につきあってくれました。 料理というテーマに話をするととてもまとまりそうに無いので、私が料理人として大切にしていること・して欲しいことを話しました。
それは、学ぶ姿勢(謙虚な姿勢)・協調性・目標を持ちつづける強い意思・集中力です。他にもたくさん大切なことはあるのだけれど、キリがありませんので。まだまだ自分も出来ている訳ではないのですが、この4つは料理だけじゃなくて、生きていく上でも大切にしたいと思っています。
講義直前まで料理人として夢や感動を与えることの出来る喜びを伝えるか、修行中の厳しい現実を伝えるか迷いました。そして、後者を私は選びました。なぜなら、私が見てきた多くの料理人達がその職を離れる時は、(理由はいろいろとあるにせよ)心が折れた時に辞めてしまうからです。器用・センスが良い・手は早い・段取りが良い、そんな才能豊かな料理人でも、その激務や一時の遊びなどの誘惑に負けて、その才能をふいにした人を沢山見てきました。それとは逆に、仕事の出来が悪くてクビになった人をほとんど見た事ありません。要は、料理人としての自身の目標さえ持ち続けることができれば、ある程度の技術は自然と身に付くのだと思うのです。
如何に辛くて辞めたくなった時や目標を見失った時に乗り越えることが出来るかが大切なのです。そうするためには、自分自身を見つめ直して(自身の長所・短所)・考え・自分の中から答えを出す必要です。なぜ料理人になるのか・どのような料理人になるのか・どうしたらそれが実現できるのかを自分自身と対話しながら確認する作業がとても大事になって、そうしないとなかなk厳しい修行時代を乗り切ることは大変なのです。
私の話が終わった後に、生徒からの質問ー儲かりますか? どのくらい修行しないといけませんか?などなど。後日、生徒から私宛に手紙が届くそうなので、どんなコメントが書いているかドキドキです。少しは生徒達に思いが届いたかな??
そして、最後に生徒の皆にお願い事。料理人にならなくても、普段の食事を大切にしてくださいね。食べることを楽しんでくださいね。