おっちーの鉛筆カミカミ

演劇モノづくり大好きおっちーのブログです
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第二十一篇

2006年01月26日 17時08分54秒 | 詩集『めぐり流れる一つを見すえて』
  第二十一篇



ひとの目を見れなくなった私は
べつに彼がキライなのではなくて
べつに彼女に恋しているワケではなくて
今にも崩れそうな自分を
見透かされてしまいそうで怖いのです

だからといって目をそらしても
かえって 昨日の夜
自分の中からなくしたはずのものを見られてしまったようで
責める目線が 無言のまま
いつまでも裸の身体に突き刺さっているような気がします
小さな頃に叩き込まれた
してはいけないこと 見てはいけないもの 考えてはいけないことは
今の私が人の中で生きようとするときに
いつもこの足を引っ張っています

幾つもの夜を越えるうちに自らに刻んだ人生の真理は
そのときはとても尊いものに思えたけれど
昼間の私の生活にはただの足かせにしかなりません

どうして私は一つになれないのでしょう
どうして私は幾人もの人間になれないのでしょう
どうして世の中はこうも一つ一つが違うのでしょう
どうして世の中はこんなに変わっていくのでしょう

すべてはそのすべてを否定するために生き続けています


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