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予想されていたこととは言え、あまりにも予想通りの言動に今更ながら呆れかえる鳩山首相の来沖であった。
これでは何も書くことはなく、昨日のエントリーの仮定法と未来形を、過去形に書き変えてエントリーすれば済むくらいだ。
沖縄訪問直前まで、首相の自信満々の「県外・国外」発言に、一部の評論家には、今回の沖縄訪問は「サプライズを伴う秘策を引っさげての訪問」だと予想する向きもあった。
そう考えるのも無理はない。
一国の総理大臣に「現行案と少なくとも同等か、それ以上に効果のある案だ(朝日新聞)」とか「辺野古の海に立てば、埋め立てられることは自然に対する冒とくだ(47NEWS)」と大見得を切られては、「首相はサプライズ秘策を引っさげて沖縄へ行く」と考えた某評論家を一概に責めるわけにはいかない。
昨日の普天間界隈は、パトカーや警察の護送車が慌しく行き来し、各道路はおよそ5メートルごとに警官が警備する厳重警戒態勢。 まるで戒厳令下のような物々しい雰囲気の中、伊波市長が小学校の屋上から「世界一危険な基地」を紹介するというお決まりのパフォーマンスをした。
あまりにも予想した通りの首相の言動はさておき、とりあえず沖縄タイムスの関連のトップ見出しを紹介しておく。
一面⇒首相、県内移設表明
二面⇒首相白旗開き直り
三面⇒無策露呈批判の渦
四面⇒低姿勢 負担は要求
五面⇒」「努力」おわび連発
28面(社会面)⇒謝罪行脚に怒号
29面(社会面)⇒切れた期待の糸
これがすべて白抜きでトップを飾るのだからインパクトは大きい。
後、社会面の三段抜きに「有権者をだました」という見出しもあるが、これこそ民主党を信じて投票した有権者の「怒りのマグマ」といってよい。
民主党の支持者は7月の参院選では決して同じ過ちを犯すべきではない。
昨日のテレ朝の番組で、自民党の石破茂政調会長が、
「なぜ沖縄に海兵隊が要るのか全く理解しないまま、『国外、県外(移設)』と言ってしまったツケが全部回っている」と批判し、
「(首相は)現行案に戻すしかない。『経緯を理解しないまま、つい言ってしまった。ごめんなさい』と心からおわびする以外、事は前に進まない」と述べているが、昨日の鳩山首相はまさにおのれの無知と無能を曝け出す「謝罪行脚」そのもであった。
さらに石破氏は、徳之島案に関しては「ヘリコプターの機能と米海兵隊の訓練機能を分けることは、軍事的に絶対米国は受けない」と指摘し、
「徳之島にものすごい軍事基地を作らなければならず、そんな土地はない。軍事のイロハだ」と軍事オタクぶりを吐露した。(産経)
軍事オタクといえば「海兵隊が沖縄に駐留する必要はありやなしや」と、軍事オタク的論議をしているブログがあるようだが、まさか首相がそれで軍事をにわか勉強したわけでもないだろうが、一国の国防の最高責任者である首相が、今頃こんな寝言をい言い出すとは↓・・・まさに平和ボケの象徴的発言といえる。
鳩山由紀夫首相は4日、米軍普天間飛行場の移設問題に関し「昨年の衆院選当時は、海兵隊が抑止力として沖縄に存在しなければならないとは思っていなかった。学べば学ぶほど(海兵隊の各部隊が)連携し抑止力を維持していることが分かった」と記者団に述べた。また、昨年の衆院選で沖縄県外、国外移設を主張したことについて「自身の発言に重みを感じている」とも語った。
◇
在沖縄米海兵隊 米軍の第3海兵遠征軍の中核。沖縄県によると、在沖米軍の6割近くを占め、兵員約1万2千人が駐留。司令部はキャンプ瑞慶覧(沖縄市など)に置かれている。砲兵部隊を含む第3海兵師団、第1海兵航空団、第3海兵役務支援群などで構成。キャンプ・ハンセン(金武町など)には地上部隊が駐留し訓練場も備える。沖縄県によると、普天間飛行場(宜野湾市)には固定翼機16機、ヘリコプター36機の計52機を配備。朝鮮半島や台湾海峡での有事をにらみ、中東にも出動する。
◇
>「昨年の衆院選当時は、海兵隊が抑止力として沖縄に存在しなければならないとは思っていなかった。学べば学ぶほど(海兵隊の各部隊が)連携し抑止力を維持していることが分かった」
正直といえば、あまりにも正直すぎる発言だが、これほど日本の恥を世界にさらした発言も珍しい。 これで日米安保の破棄から米軍基地の退去となったら、鳩山首相率いる日本を侵略するなんて赤子の手を捻るようなものだろう。
これは沖縄タイムスとそこに寄稿する我部政明琉球大学教授らの意見に洗脳され、「冷戦構造が終わった現在、沖縄の戦略的価値は消滅した」という論や、米軍基地の駐留は認めても「攻撃部隊である海兵隊の駐留は無意味」といった、いかにももっともらしい論に影響されたものと思われる。
ところが軍事に関しては百戦錬磨の米国側担当者との交渉の過程でやっと今頃になって「海兵隊の抑止力に気がついた」と白状するあたり、国防の最高責任者として誠にお寒い限りである。
当然、グアム、テニアン案は論外と分かっているはずだが、まさか追い詰められて「テニアン回帰」はないと思うがネ。
これについては稿を改めたいが、とりあえず過去エントリーでも触れてある。
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