2008年6月の個展より「夕暮れ駅1」
夕暮れがそっとしのびよる時間。それは子供にとって今日が終わりつつある時間であり、日も落ち、夜がやってくる時間。
ヒロク二さんは、子供の頃、ガジュマルの木に登り、海をよく眺めていたという。家に帰ると、縁側で昼寝をして、必ず石の上に落ち、額に「たんこぶ」ができたという。現在もその「たんこぶ」のあとは健在だ。それは、戦争の始まる前の時間。平穏な一瞬の時間だという。
この絵の船は、奄美大島から神戸へ行く船なのか?山は、後にした島なのか?戦火を逃れてたくさんの船が出航したという。楽園の思い出を後にして。
楽しげであり、悲しげなところがある絵。人や船はある方向を目指しているのが解かる。