田中雄二の「映画の王様」

映画のことなら何でも書く

『黄昏』

2019-04-02 19:12:54 | 1950年代小型パンフレット

『黄昏』(51)(1986.7.26.水野晴郎の懐かしの洋画劇場)



 19世紀末のアメリカを舞台に、シカゴにやってきた美しい田舎娘キャリー(ジェニファー・ジョーンズ)と一流レストランの支配人ハーストウッド(ローレンス・オリビエ)の不倫の果ての悲劇をウィリアム・ワイラー監督が冷徹なまなざしで描く。原作はセオドア・ドライサー。

 愛を捨てて女優としての成功を手に入れた女と、愛を貫き全てを失った男の運命の対比が見事。ラストの落ちぶれ果てたハーストウッド=オリビエの姿と、小道具の小銭とガスコンロが何とも悲しく映る。

ローレンス・オリビエ


ジェニファー・ジョーンズ

パンフレット(53・国際出版社)の主な内容
解説/ものがたり/「黄昏」の悲劇(筈見恒夫)/ウィリアム・ワイラーについて/ジェニファー・ジョーンズ/ローレンス・オリヴィエ

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【インタビュー】『ラ』桜田通

2019-04-02 14:59:32 | インタビュー



「今回は、監督の狙いの全てに乗っかろうと思いました」
https://tvfan.kyodo.co.jp/feature-interview/interview/1178801

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『ジェニイの肖像』

2019-04-02 10:39:29 | 1950年代小型パンフレット

『ジェニイの肖像』(47)(1986.7.12.水野晴郎の懐かしの洋画劇場)



 売れない画家のエーベン(ジョセフ・コットン)はセントラルパークで謎の少女ジェニイと出会う。彼女はすぐに姿を消したが、不思議なことに、再会するたびに彼女は少しずつ成長した姿を見せた。やがてエーベンは、大人になったジェニイ(ジェニファー・ジョーンズ)の肖像画を完成させ、彼女に会いに行くが、ジェニイは数年前に嵐の海で遭難していたことを知る。

 大プロデューサーのデビッド・O・セルズニックが妻のジョーンズのために製作した幻想ロマン。原作はロバート・ネイサン。監督はドイツ出身のウィリアム・ディターレ。

 モノクロで撮られたニューヨークの風景も美しいが、ラスト近くの大嵐のシーンを緑色にし、セピアカラーを経て、ラストに映し出されるジェニイの肖像画のみがカラーというのもしゃれている。ジョーンズの美しさとジェニイのテーマとも呼ぶべきドビュッシーの「亜麻色の髪の乙女」が印象に残る。大林宣彦が好んで描く幻想ロマンのルーツはこの映画にあるのでは…と感じた。

ジョセフ・コットン


ジェニファー・ジョーンズ

パンフレット(51・国際映画印刷)の主な内容
解説/物語/初めて映画に現われたドビュッシイの音楽/もう一人の主演紐育市 Wディターレのロケハンから

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『らせん階段』

2019-04-02 08:45:11 | 1950年代小型パンフレット
『らせん階段』(46)(1986.7.5.水野晴郎の懐かしの洋画劇場)



 20世紀初頭、ニューイングランドのウォーレン夫人(エセル・バリモア)の館に、ヘレン(ドロシー・マクガイア)が女中として雇われた。彼女は子供のころ、家が火事になり、両親が焼死するのを目撃したショックから声が出なくなっていた。その頃、町では肉体的に障害のある娘ばかりを狙った連続殺人事件が起きていた。監督はドイツ出身のロバート・シオドマク。
 
 地味な美人のマクガイアが声が出せないヒロインの恐怖を見事に体現。バリモアが貫禄の演技を見せる。急な雷雨に襲われたヘレンが、恐怖を紛らわせるために、棒切れで館の鉄柵をたたきながら歩く場面など、印象に残るシーンも多い。タイトルは館内の階段の意で、ラストの重要な舞台となる。連続殺人の動機を犯人の屈折した心理に置いたニューロティック(異常心理)スリラーの佳作。75年にはジャクリーン・ビセット主演でリメークされた。

ドロシー・マクガイア

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