田中雄二の「映画の王様」

映画のことなら何でも書く

『皇帝円舞曲』

2019-04-08 14:02:40 | 1950年代小型パンフレット
『皇帝円舞曲』(48)(1986.12.24.水野晴郎の懐かしの洋画劇場)



 発明されたばかりの蓄音機をオーストリア皇帝に売りつけるため、米国人セールスマン(ビング・クロスビー)がウィーンにやってくる。そこで、伯爵令嬢(ジョーン・フォンテイン)に一目惚れするが、蓄音機が爆弾と間違われて騒動となる。

 ウィーン出身のビリー・ワイルダーが監督したオペレッタ風喜劇。ワイルダーとチャールズ・ブラケットのコンビ作は『熱砂の秘密』(43)『深夜の告白』(44)『失われた週末』(45)『サンセット大通り』(50)と、暗くハードな内容のものがほとんどだが、この映画は、コンビ解消後に艶笑喜劇の作家として成功したワイルダーのしゃれっ気や明るさが強く出ている。クロスビーの歌声、フォンテインの美貌、ビクターの商標そっくりの犬のバトンズなど、見どころも多い。

ビング・クロスビー


ジョーン・フォンテイン


ビリー・ワイルダー

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『真夜中』

2019-04-08 06:16:33 | 1950年代小型パンフレット

『真夜中』(59)(1986.12.14.水野晴郎の懐かしの洋画劇場)



 男やもめで初老の会社経営者(フレドリック・マーチ)が自分の会社にいる離婚歴のある若い女性(キム・ノバク)を愛するようになり、結婚を決意するが…。『マーティ』(55)の監督デルバート・マンと脚本パディ・チャイエフスキーのコンビ作で、ここでも市井の人々の身近な話が描かれる。

 この映画を初めて見た30数年前は、主人公が相手の気持ちを疑ったり、自分の年齢を気にして踏み込めないところがじれったく映ったのだが、彼と同年齢となった今はその気持ちがよく分かる。特に相手がノバクのような若くて魅力的な女性だったらなおさらであろう。というわけで、今見直したら、全く違う感慨を抱くことだろう。

フレドリック・マーチ


キム・ノバク

パンフレット(59・外国映画出版社)の主な内容
かいせつ/ものがたり/監督デルバート・マン/D・マンの描いた人生の真夜中 F・マーチとキム・ノヴァクの競演(黒木川喬)/パディ・チェイエフスキイ/スタア・メモ キム・ノヴァク、フレデリック・マーチ

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