田中雄二の「映画の王様」

映画のことなら何でも書く

『鞄を持った女』

2019-04-19 21:25:23 | 1950年代小型パンフレット
『鞄を持った女』(61)(2005.8.17.)



 BSでクラウディア・カルディナーレ主演の『鞄を持った女』を見る。バレリオ・ズルリーニ監督らしい生真面目な映画なのだが、いささかくどいところがあって、正直なところ見るのに骨が折れた。また、カルディナーレ演じる野卑で、男にだまされ、利用されながら、流浪するヒロイン、アイーダが実は純情な女で…というのはあくまで男の側の勝手な理想像という気がしてきて何だか困った。

 ただ、ジャック・ペラン演じる純情な少年が年上の彼女に惚れていく様は、同じ男として身につまされるところもあったが、全体的には、傑作にも佳作にもなりそこねた少々悲しい映画という印象が残った。それにしてもカルディナーレのグラマーぶりに改めて驚く。

 さて、同時期に作られたセックス・シンボルたち。MM(マリリン・モンロー) BB(ブリジット・バルドー) CC(クラウディア・カルディナーレ)の中で誰かを選べといわれたらオレはCC。中でも『ブーベの恋人』(64)が最高だ。

クラウディア・カルディナーレ
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『ある町の高い煙突』の渡辺大にインタビュー

2019-04-19 10:40:13 | 仕事いろいろ


「こういう話を、映画というエンターテインメントの部分で見せることも大切だと思います」の言葉に共感。
詳細は後ほど。

『ある町の高い煙突』
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/56d85cd594085b664281cacb1eebcf0e
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『赤い風船』『黒いオルフェ』

2019-04-19 06:51:48 | 1950年代小型パンフレット
『赤い風船』(56)(2004.11.4.)



 中学時代以来、約30年ぶりに、少年と風船の奇妙な交流を描いたアルベール・ラモリスの『赤い風船』を再見。およそ30分、しかもほとんどセリフもなしという短編だが、これは一種の映像詩。今だったらCGで簡単に出来てしまうのだろうが、当時はもちろんそんなものはない。なので、手作りの良さみたいなものを感じることができた。ただ、擬人化された意思のある風船というのはちょっと不気味に見えることを今回発見した。日本旅行の「赤い風船」は多分この映画から名を頂いたのだろう。

アルベール・ラモリス


『黒いオルフェ』(59)(2004.11.8.)



 ギリシア神話のオルペウス(オルフェ)とエウリュディケ(ユーリディス)の物語の舞台を、カーニバルで盛り上がるブラジル、リオデジャネイロに移して映画化。音楽はアントニオ・カルロス・ジョビン。監督はマルセル・カミュ。

 さすがに音楽は覚えていたが、内容はほとんど忘れていた。主人公のオルフェってこんなに能天気な男だったっけ…。ラテン気質の「奴は死んじまったけど、まあ仕方ないさ、陽はまた登るさ」みたいな緩い感じが妙に良かったりして。で、やっぱり「カーニバルの朝」など、ジョビンの音楽がいいんだなあ。

『THE BIG ISSUE JAPAN』19号「とき、ところ自由自在。映画で出かけるお正月の旅」(2004.12.15.)
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