『屋根の上のバイオリン弾き』(71)(1981.8.10.月曜ロードショー)
ウクライナ地方に暮らすユダヤ人のテビエ(トポル)は、娘たちの幸せを願い、彼女たちの恋愛に悩み、結婚を祝いながら、日々懸命に生きてきたが、やがてユダヤ人追放という事態に見舞われる。ロシア系ユダヤ人たちの受難を描いたミュージカル舞台劇の映画化。監督はノーマン・ジュイソン。
解説の荻昌弘さんも「目で演技ができる人」と言っていたが、とにかく主人公のテビエを演じたトポルが素晴らしい。『フォロー・ミー』(72)の時もそうだったが、何ともいえぬ温かさが感じられ、見ていてほのぼのとした気分になる。演技がうまいからか? 否、きっと彼の人柄がにじみ出ているのだろう。特にこの映画では、老け役として、父親の情愛や、ユダヤ人としての誇りを見事に表現していた。
せめて娘たちには豊かな暮らしをと望む父。娘たちはそんな父の愛を知りながら、やはり貧しい男のもとに嫁いでいく。娘が苦労することを分かっていながらそれを許す父…。そこに流れる名曲「サンライズ・サンセット」。こうした思いは日本の庶民にも当てはまる。だから素直に感情移入ができるのだ。
また、ノーマン・ジュイソンの正攻法の演出にも感心させられた。優れた舞台劇の人物描写をきちんと踏襲しながら、舞台劇では描けない、広大な田園風景や自然、シベリア鉄道といった、映画の特質を生かした背景と見事にマッチさせていたからである。
「サンライズ・サンセット」作詞シェルドン・ハーニック、作曲ジェリー・ボック、編曲ジョン・ウィリアムズ
https://www.youtube.com/watch?v=zOsou7XiGFM
ウクライナ地方に暮らすユダヤ人のテビエ(トポル)は、娘たちの幸せを願い、彼女たちの恋愛に悩み、結婚を祝いながら、日々懸命に生きてきたが、やがてユダヤ人追放という事態に見舞われる。ロシア系ユダヤ人たちの受難を描いたミュージカル舞台劇の映画化。監督はノーマン・ジュイソン。
解説の荻昌弘さんも「目で演技ができる人」と言っていたが、とにかく主人公のテビエを演じたトポルが素晴らしい。『フォロー・ミー』(72)の時もそうだったが、何ともいえぬ温かさが感じられ、見ていてほのぼのとした気分になる。演技がうまいからか? 否、きっと彼の人柄がにじみ出ているのだろう。特にこの映画では、老け役として、父親の情愛や、ユダヤ人としての誇りを見事に表現していた。
せめて娘たちには豊かな暮らしをと望む父。娘たちはそんな父の愛を知りながら、やはり貧しい男のもとに嫁いでいく。娘が苦労することを分かっていながらそれを許す父…。そこに流れる名曲「サンライズ・サンセット」。こうした思いは日本の庶民にも当てはまる。だから素直に感情移入ができるのだ。
また、ノーマン・ジュイソンの正攻法の演出にも感心させられた。優れた舞台劇の人物描写をきちんと踏襲しながら、舞台劇では描けない、広大な田園風景や自然、シベリア鉄道といった、映画の特質を生かした背景と見事にマッチさせていたからである。
「サンライズ・サンセット」作詞シェルドン・ハーニック、作曲ジェリー・ボック、編曲ジョン・ウィリアムズ
https://www.youtube.com/watch?v=zOsou7XiGFM