今日のシネフィルWOWOWは朝から『ハタリ』。
アフリカのサバンナを舞台に、世界各国の動物園から依頼を受け、野生動物を捕獲するプロハンターたちの活躍を描く。そんな彼らのもとに、美しい女性カメラマンが現れて…、という西部劇の意匠をサバンナに置き換えたような一編。
この映画は、『リオ・ブラボー』(59)『エル・ドラド』(67)『リオ・ロボ』(70)と続いた、ハワード・ホークス監督+ジョン・ウェイン主演による、チームプレーを描いたグループ劇の系譜に属す。仲間たちの連帯の媒介として音楽が重要な役割を果たすが、それにウェインは参加せず、楽しそうに眺めているだけ、というのも面白い。
ジョン・ウェイン、レッド・バトンズ、ブルース・キャボット(アメリカ)、ハーディ・クリューガー(ドイツ)、エルザ・マルティネッリ(イタリア)、ジェラール・ブラン、ミシェル・ジラルドン(フランス)、バレンティン・デ・バルガス(メキシコ)という、にぎやかな顔ぶれで、コメディーリリーフ的なバトンズと、対照的なマルティネッリとジラルドンという“紅二点”が特にいい。
ホークスの映画については、アメリカの批評家はおろか、ホークス本人ですら自分は腕のいい職人監督だと思って作っていたようだが、フランスのゴダールやトリュフォーが、優れた“映画作家”として認めたために評価が一変した。
ただ、彼の映画にはちょっと不器用なところがあるのは否めない。この映画にしても、動物の捕獲シーンをたっぷりと見せたいのは分かるにしても、158分はいかにも長過ぎて間延びするところがあるのだ。
で、続けて「ザ・シネマ」で、これもフランスが評価した異色西部劇『大砂塵』を放送していた。