『地獄の戦場』(51)(2012.10.2.)
第一次大戦を描いた反戦映画の名作『西部戦線異状なし』(30)を撮ったルイス・マイルストンが、硫黄島の戦いをモデルにしたとも思える、第二次大戦中の“ある島”をめぐる日米の攻防戦を描く。
リチャード・ウィドマークの少尉が率いる部隊は、カール・マルデン、ジャック・バランス、ネビル・ブランドらくせ者揃い。彼らのぶつかり合いを見ているだけでも面白い。もっとも、明らかにスタジオのセットで撮られたと思われるシーンも多く、加えて兵士たちの市民生活や彼らが抱えるトラウマの理由が回想として挿入されるから、舞台劇のような印象を受けるのだが、見ていると、この映画の見どころは実は戦闘シーンではなく、兵士たちの心理描写にあると気付くことになる。
そしてこの手の映画の定石として、果たして誰が生き残るのかというところに興味を持たせる。ただ、ラストで神の存在や信仰の尊さを説いたところには違和感が残った。残念ながら日本軍の描き方は、最近の『硫黄島からの手紙』(06)などとは比べるべくもない。一兵卒に化けた日本軍の将校が、実は明大の有名野球選手だった…というのはおかしかった。
第一次大戦を描いた反戦映画の名作『西部戦線異状なし』(30)を撮ったルイス・マイルストンが、硫黄島の戦いをモデルにしたとも思える、第二次大戦中の“ある島”をめぐる日米の攻防戦を描く。
リチャード・ウィドマークの少尉が率いる部隊は、カール・マルデン、ジャック・バランス、ネビル・ブランドらくせ者揃い。彼らのぶつかり合いを見ているだけでも面白い。もっとも、明らかにスタジオのセットで撮られたと思われるシーンも多く、加えて兵士たちの市民生活や彼らが抱えるトラウマの理由が回想として挿入されるから、舞台劇のような印象を受けるのだが、見ていると、この映画の見どころは実は戦闘シーンではなく、兵士たちの心理描写にあると気付くことになる。
そしてこの手の映画の定石として、果たして誰が生き残るのかというところに興味を持たせる。ただ、ラストで神の存在や信仰の尊さを説いたところには違和感が残った。残念ながら日本軍の描き方は、最近の『硫黄島からの手紙』(06)などとは比べるべくもない。一兵卒に化けた日本軍の将校が、実は明大の有名野球選手だった…というのはおかしかった。