エンタメOVOに連載中の
『ほぼ週刊映画コラム』
今週は
現代にも通じる、知られざる歴史を描いた
『ある町の高い煙突』
詳細はこちら↓
https://tvfan.kyodo.co.jp/feature-interview/column/week-movie-c/1192398
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今週は
現代にも通じる、知られざる歴史を描いた
『ある町の高い煙突』
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黒澤明監督の『羅生門』(50)のリメーク版。黒澤と橋本忍の脚本を基に、マイケルとフェイのケニン夫妻が舞台劇として脚色。それをマイケルが映画用にシナリオ化し、時代と舞台を1870年代の南北戦争後の西部に置き換えたが、これはこれで面白かった。要は人間の営みは国が違ってもあまり変わらないということか。
それぞれを『羅生門』に当てはめると、ポール・ニューマン(三船敏郎)、ローレンス・ハーベー(森雅之)、クレア・ブルーム(京マチ子)、エドワード・G・ロビンソン(上田吉二郎)、ウィリアム・シャトナー(千秋実)、ハワード・ダ・シルバ(志村喬)、監督マーティン・リット(黒澤明)、脚本マイケル・ケニン(橋本忍)、撮影ジェームズ・ウォン・ハウ(宮川一夫)ということになる。両作で大きく違うのは音楽で、早坂文雄のボレロ調とアレックス・ノースの甘美なメロディーは全くの別物だった。
当初、ニューマンは『羅生門』で三船が演じ、舞台版でロッド・スタイガーが演じた盗賊役に対して乗り気ではなかったが、マーロン・ブランドが映画版の脚本を気に入って、やる気を示したことを聞いて引き受けたという。そして気心の知れたリット監督のもと、茶色のコンタクトレンズと黒いかつらを付け、さらに凝ったメークとひげ面でメキシコ人の盗賊に変身して熱演を見せた。ニューマンは本作を「お気に入りの1本」に挙げるが、興行的には失敗した。