『ほぼ週刊映画コラム』
今週は
認知症の父と家族との7年間を描いた
『長いお別れ』
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『さらば愛しきアウトロー』の試写の際、「ロバート・レッドフォードの出演映画で最も好きなものを“1本”」というアンケートがあった。で、1本とはあまりにも酷ではないか、と思いながらも考えてみた。
『明日に向って撃て!』(69)と『スティング』(73)はポール・ニューマンの映画でもあるし、同じく『追憶』(73)はバーブラ・ストライサンドの映画でもある。『ホット・ロック』(72)はある意味集団劇だし…と考えて消去し、残った『華麗なるヒコーキ野郎』(75)とどちらにするかと迷った挙句に『ナチュラル』(84)にした。かつて「ゲーリー・クーパーの後を継ぎ、大統領から野球選手までを演じられる男」と言われたレッドフォードにふさわしい映画だと思ったからである。
『ナチュラル』(84)(1989.3.5.)
先日、バリー・レビンソン監督の最新作『レインマン』(88)を見たばかりだが、テレビで、同監督の『ナチュラル』を再見。改めて、この映画は、何度見ても映画と野球が好きな者にとってはたまらないプレゼントだと感じた。
バーナード・マラマッドの原作における悲劇的なラストを希望に変えただけでも見事なのに、全編にあふれるアメリカンドリームの精神、父と子のキャッチボールの美しさ、野球を見つめる少年たちのまなざし、ゲームシーンのリアルさなどから、アメリカにおける野球を神話的に捉えていることを感じさせる。
何より、監督のレビンソン、主演のレッドフォードをはじめ、スタッフ一同が、野球の持つ夢を信じてこの映画を作ったことが分かるのがうれしい。ある意味、この映画を超える野球映画は作れないのではないかと思う。
そういえば、以前、ヤクルトの長嶋一茂が「この映画を見てプロ野球選手になることを決めた」という記事を読んだ覚えがある。それが真実なら、彼はこの映画の父と子のキャッチボールのシーンに、自分とミスターを重ね合わせたのかもしれないなあ。
All About おすすめ映画『ナチュラル』
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