神保町のジャズ・オリンパスで月に一度開催される「ジャズ・コレクターズ・クラブ」のコンサートで、キャピトル・レコードの設立者の一人としても知られるジョニー・マーサーが作詞した曲の特集を聴いた。マーサーは映画音楽の世界でも有名で、アカデミー賞も4度受賞しているが、日本未公開の映画も多い。
代表曲は、フランク・キャプラ監督の『花婿来たる』(51)でビング・クロスビーとジェーン・ワイマンが歌った「In the Cool, Cool, Cool of the Evening=冷たき宵に」(作曲ホーギー・カーマイケル) 、ブレーク・エドワーズ監督の『ティファニーで朝食を』(61)の「ムーン・リバー」、同じく『酒とバラの日々』(62)、スターンリー・ドーネン監督の『シャレード』(63)の作曲はいずれもヘンリー・マンシーニだ。マルセル・カルネ監督『夜の門』(49)の挿入歌「枯葉」(作曲ジョセフ・コズマ)の英詞でも知られる。
クリント・イーストウッドが監督し、マーサーの故郷サバナを舞台にした『真夜中のサバナ』(97)ではマーサーの墓や邸宅が映り、彼が関わった曲も流れる。さらにイーストウッドはドキュメンタリー映画『Johnny Mercer: The Dream's On Me』(09)の製作総指揮もしている。ジャズ通でも知られるイーストウッドは、マーサーに対する強い思い入れがあるのだろう。