今回は、カシアス・クレイ(後のモハメド・アリ)に関する数編のコラム「ぼくはボクシングが好き」と、珍しく西部劇について書いた「なぜ西部劇が好きじゃないんだろう」、『真夜中のカーボーイ』の原作小説から始まり、ワイルド・ウェスト、ゴールド・ラッシュ、ブーム・タウン、OK牧場の決闘、ビリー・ザ・キッド、ロバート・ワーショウの西部劇論、そして英雄たちの末路の列記へとつながっていく「西部伝説の英雄たち」が面白かった。
と、久しぶりの“植草甚一復習の旅”も終了し、『映画だけしか頭になかった』に戻ってきた。これは植草さんが書いた映画に関するコラムなどを一冊にまとめたもので、スクラップブックよりも先に出版された。和田誠の装丁、日活名画座のポスターも見もの。1980年代、オレの“植草甚一への旅”はこの本から始まったのだ。