『チャトズ・ランド』(72)(1978.3.13.月曜ロードショー)
チャールズ・ブロンソン主演、マイケル・ウィナー監督による異色西部劇。南北戦争後、正当防衛で保安官を射殺したアパッチと白人の混血のチャト(ブロンソン)を縛り首にするため、元南軍のクインシー(ジャック・パランス)率いる自警団が彼の後を追う。ところが、チャトのランド(テリトリー)に侵入した自警団は、一人また一人とチャトの餌食になっていく。岩場の多い景観はスペインでロケされたようだ。
『さらば友よ』(68)以来、ひげがトレードマークになったブロンソン。それ故、日本で『荒野の七人』(60)がリバイバル上映された際は、ポスターやパンフレットにわざわざひげが描き足されたほど。だからからか、この映画でもインディアン役なのにブロンソンにはひげがある。それはおかしいと言われたようだが、ブロンソンとウィナーのコンビは、リアリティよりも、ブロンソンの存在を生かすために映画を撮っていた気がする。
従って、この映画は筋骨隆々のブロンソンを見せることに腐心しているが、必要以上に姿を見せないところがミソ。その分、姿を現した時のインパクトが強くなる、というわけである。
自警団のメンバーがパランスをはじめ、リチャード・ベースハート、サイモン・オークランド、ジェームズ・ホイットモア、リチャード・ジョーダン、ラルフ・ウェイト、ビクター・フレンチ、ウィリアム・ワトソンとくせ者揃いで面白い。
ブロンソンとウィナーのコンビ作は、この映画に始まり、『メカニック』(72)『シンジケート』(73)『狼よさらば』(74)『ロサンゼルス』(82)『スーパー・マグナム』(85)と続いた。