『男はつらいよ 寅次郎ハイビスカスの花』(80)(1980.9.7.蒲田ロキシー)
リリー(浅丘ルリ子)が三度登場。今回の舞台は沖縄。今まででは、寅さんがマドンナと一番うまくいった回ではないか。何たって寅さんに「所帯を持つか」とまで言わせたのだから…。
話は変わるが、今回は寅さんがやけに優しい。少々優し過ぎるのではないかと思えるほどで、それがまた切なくもあり、悲しくもあるのだが…。そして最後はやはり別れていく2人。今回もしばしば使われた言葉だが、2人とも結局「堅気」にはなれないのだから。
とはいえ、いつもながらラストシーンで救われる。旅先で偶然出会った寅さんとリリー。もはや2人には何のわだかまりもない。冗談を言い合いながら、リリーの乗ってきたマイクロバスに乗り込む寅さん。そして二人を乗せたバスはテーマ曲に乗って山道を遠ざかっていくのだ。
名セリフ「私たち、あんまり暑いんできっと夢を見たのね」(リリー)「そう、夢、夢だ」(寅)