田中雄二の「映画の王様」

映画のことなら何でも書く

『オレたちのプロ野球ニュース』(長谷川晶一)

2021-04-12 23:09:13 | ブックレビュー

 1976年、プロ野球報道が、まだ巨人中心だった時代に「12球団公平」をモットーに掲げ、各試合を詳細に伝えた「プロ野球ニュース」が放送を開始した。

 折しも、セ・リーグは、74年に巨人の連続優勝が9年で途切れて中日が優勝。翌年は広島が、78年にはヤクルトが初優勝した。80年には王貞治が引退し、長嶋茂雄監督が辞任した。一方、パ・リーグは70年代の阪急に続いて、82年からは西武が黄金時代を迎える。ところが、89年には老舗球団の南海と阪急が身売りをし…。

 といった具合に、70年代後半からプロ野球界は急激な変化を遂げたが、その時代に、最も詳しく丁寧にプロ野球を伝えたのが「プロ野球ニュース」だった。その意味では、この番組がプロ野球の発展に果たした役割は大きなものがある。

 当時、巨人以外のチームの動静や、メジャーリーグにも興味を持ち始めた自分にとっては、まさに渡りに船の番組で、ほぼ毎晩欠かさず見たものだった。

 本書は、佐々木信也、野崎晶一、須田珠理、福井謙二…といった歴代キャスターをはじめ、解説者の土井淳、平松政次、大矢明彦、フジテレビ系列各局のアナウンサー、カメラマン、編集マン、番組ディレクターなど、20人以上の関係者へのインタビューを基に、「プロ野球ニュース」の誕生から地上波撤退までを詳細に追ったノンフィクション。彼らの言葉の端々から、野球がスポーツの王様だった時代を過ごした者たちの矜持がにじみ出る。

 筆者は自分よりも10歳年下だが、よく調べたもの、そしてよく聞いたものだと感心させられた。ただ、自分にとっての「プロ野球ニュース」は、76年から88年までの「佐々木信也時代」だったことに改めて気付かされもした。

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「BSシネマ」『助太刀屋助六』

2021-04-12 07:02:58 | ブラウン管の映画館

『助太刀屋助六』(02)

いい遺作だ
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/52e02e1e8e7427e746c13baa03415fe4

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