田中雄二の「映画の王様」

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【インタビュー】『SNS-少女たちの10日間-』ビート・クルサーク監督

2021-04-15 16:50:02 | BIG ISSUE ビッグイシュー

『THE BIG ISSUE JAPAN ビッグイシュー日本版』405号に『SNS-少女たちの10日間-』のビート・クルサーク監督のインタビュー記事掲載。

表紙は86歳になったイタリアの伝説的名優ソフィア・ローレン
https://www.bigissue.jp/backnumber/405/

街で販売員の方を見掛けましたら、ぜひお買い上げください。

 

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『スプリー』

2021-04-15 09:43:40 | 新作映画を見てみた

笑ってばかりもいられない怖さを感じる

 ライドシェアアプリ「スプリー」のドライバー、カート・カンクル(ジョー・キーリー)は、10年間動画を投稿し続けているが、視聴者数が2桁に届くことは滅多にない。

 だが、ある日カートは、SNS上で評判となり、フォロワーも増大するであろう画期的なアイデアを思いつく。それは、ライドシェアを利用する乗客を殺害し、その一部始終を生配信することだった。

 だが、次々と客を殺し、ライブ配信したものの、わずかな視聴者からは「フェイク」「面白くない」「才能なし」などとバカにされる始末。有名になるためには、もっと刺激的な映像が必要だと考えたカートの犯行はさらにエスカレートしていく。

 注目されるためには何でもするというカートの行動を、異常に感じたり、ばかばかしいと一蹴するのは簡単だが、実はこうしてブログで発信している自分も、毒されているのかと考えると、笑ってばかりもいられない怖さを感じる。

 監督は、ウクライナ出身のユージーン・コトリャレンコ。アプリ、メール、コメント、おびただしい数のディスプレーとライブ配信を視覚的に組み込みながら、映画的なストーリーテリングを展開させ、行き過ぎたインフルエンサー文化、承認欲求、麻痺した暴力性への風刺を映画に込めたのだという。

 また、『群衆の中の一つの顔』(57)『タクシードライバー』(76)『ネットワーク』(76)『誘う女』(95)『アメリカン・サイコ』(00)などを参考にしたらしい。

 それを聞くと、『search サーチ』(18)『THE GUILTY ギルティ』(18)同様、最先端の映画だが、ちゃんと過去の映画から学んでいることがよく分かる。

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「BSシネマ」『我輩はカモである』

2021-04-15 07:32:20 | ブラウン管の映画館

『我輩はカモである』(33) (1986.5.25.)

 財政難に陥ったフリードニア国は、大富豪のティズデール夫人(マーガレット・デュモント)に資金援助を依頼、夫人は、お気に入りのファイアフライ(グルーチョ)を首相にすることを条件に承諾する。一方、隣国の大使はフリードニアの乗っ取りを画策し、スパイを送り込むが…。

 ユダヤ人であるグルーチョ、チコ、ハーポ、ゼッポの4兄弟がファシズムを痛烈に風刺したコメディーで、監督は、もともとはドタバタコメディのギャグマンだったレオ・マッケリー。

 ルネ・クレールの『最後の億萬長者』(34)やチャップリンの『独裁者』(40)に先んじているが、ナンセンスなギャグとアナーキーな風刺が観客に理解されず、公開時は不評だったという。だが、後の日本のクレイジーキャッツやドリフターズには多大な影響を与えた。

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