見るのに骨が折れた
ソ連時代のグルジア(現ジョージア)で製作され、世界中でカルト的な人気を集めたSFコメディ『不思議惑星キン・ザ・ザ』(86)を、ゲオルギー・ダネリア監督自らがアニメ映画化。実写版は社会主義体制の中で製作されたが、今回は現代のロシアを戯画化して描く。
有名チェリストのチジョフとDJ志望の青年トリクは、雪におおわれたモスクワの大通りでパジャマ姿の異星人と遭遇し、キン・ザ・ザ星雲の惑星プリュクにワープしてしまう。
そこは見渡す限りの砂漠が広がり、身に着けるズボンの色によって階級が分かれる場所だった。「クー!」という言葉で会話する異星人たちを相手に、地球に帰るべく奮闘を続ける2人だが…。
懐かしい釣鐘型の宇宙船、種々雑多な宇宙人などのデザインは面白いが、実写版に負けず劣らず、否、それ以上のシュールさで、見るのに骨が折れた。