田中雄二の「映画の王様」

映画のことなら何でも書く

「2019年2月の映画」転載

2019-03-19 14:26:39 | 映画の森
「KyodoWeekly」2月25日号から「2月の映画」共同通信のニュースサイトに転載。
https://www.kyodo.co.jp/national-culture/2019-03-18_1976029/

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【インタビュー】『バンブルビー』ヘイリー・スタインフェルド

2019-03-19 10:29:26 | インタビュー



「チャーリーを演じながら開放感を得ることができました」
https://tvfan.kyodo.co.jp/feature-interview/interview/1182681

『バンブルビー』
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/9c9d7e09cf5f44af31d57ebc5bd6d1cc

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『パパは奮闘中!』

2019-03-19 09:45:39 | 新作映画を見てみた


 原題は「私たちの闘い」。ベルギー出身のギヨーム・セネズ監督によれば、主人公が仕事と家庭との釣り合いを見つける闘いを描いているから、そう名付けたのだという。

 2人の子供の良き母でもあった妻が突然家出する。理由も分からないまま、仕事と子育てに追われる夫(ロマン・デュリス)の悩みを描く映画と聞いて、『クレイマー、クレイマー』(79)を連想する人は多いはず。

 40年前の若き日の自分は『クレイマー、クレイマー』の家出した妻(メリル・ストリープ)を見て、随分身勝手な…と思ったものだが、今は自分も結婚し、年を取ったので別の感慨が浮かぶ。こうした問題は、誰が悪いというわけではない。だから余計に切なく苦しいのだと。

 ただ『クレイマー、クレイマー』と大きく違うのは、前者の家庭が富裕層だったのに比して、この映画はいわゆる労働者階級の家庭を描いているところ。だから主人公の職場の問題なども描きながら、仕事とは? 働くこととは?を見る側に問い掛ける側面もあるし、労働問題を入れ込んだり、BGMを使わないところなどは同郷のダルデンヌ兄弟監督の映画と重なるところもある。

 また、『クレイマー、クレイマー』はもちろん、それに影響を受けて作られたであろう市川崑の『幸福』(81)のことも思い出した。脚本は女性、残された子供は2人、失踪後妻は全く姿を見せない点などもこの映画と類似していたからである。

『文化の泉 シネマアベニュー』から『クレイマー、クレイマー』(2011.11.1.)


All About おすすめ映画『幸福』
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/bbc9e864d31d07277a24a18e2362ea5e
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【インタビュー】『バンブルビー』トラビス・ナイト監督 

2019-03-18 10:16:04 | インタビュー



「10歳の自分が『見たい』と思ったものが、30年後にできました」
https://tvfan.kyodo.co.jp/feature-interview/interview/1182677

『バンブルビー』
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/9c9d7e09cf5f44af31d57ebc5bd6d1cc

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『ダンボ』ティム・バートン監督とコリン・ファレルにインタビュー

2019-03-18 06:09:31 | 仕事いろいろ


「私自身、ダンボというキャラクターをとてもよく理解することができました」(ティム・バートン)
「出演を決めた最大の理由はティム・バートンが監督をするから」(コリン・ファレル)

詳細は後ほど

『文化の泉 シネマアベニューvol.3』世界の名監督たち~ティム・バートン~(2012.6.1.)




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『誇り高き男』

2019-03-17 11:08:55 | 1950年代小型パンフレット

『誇り高き男』(56)



 舞台はカンザス。銃撃戦で頭を負傷し、一時的に視力が衰えるようになった保安官のキャス(ロバート・ライアン)は、助手に若いカウボーイのサッド(ジェフリー・ハンター)を雇うが、彼はキャスを父親の仇だと思っていた。

 口笛が印象的な哀愁のあるテーマ曲の作曲はライオネル・ニューマン。この映画はもちろんリアルタイムでは見ていないが、中学生の頃テレビで本編を見た後で買った編集版のLPレコード「西部劇、アクション映画全集」のトップにこの曲が入っていたので、よく聴いた覚えがある。

 弱みを持った保安官、(疑似)親子の対立と和解というテーマは、同時期に作られた『追われる男』(55)『胸に輝く星』(57)にも見られたもの。こうしたテーマは当時のはやりだったのだろうか。悪役や屈折した役が多いライアンがここでは真っすぐな保安官役を好演している。

 黒澤明が選んだ百本の映画の中にこの映画が入っていたのは少々意外な気がしたが、思えば、この映画は黒澤が好んで描いた「年上の人格者が若者を導く」というテーマと通じているのかもしれない。

 相手役のバージニア・メイヨは、当時の中学生にも色っぽいおばさんに見えたが、斜視気味の目つきなどは、当時売れていたカレン・ブラックに似ていなくもないか、とも思った。

 監督のロバート・D・ウェッブについてはよく分からないが、公開当時のパンフレットには「カメラマン出身の新鋭。ヘンリー・キングの助監督を長く務めた」と書かれている。撮影は後にサム・ペキンパー映画を多く担当したルシアン・バラード。黒澤は彼の仕事も褒めていた。

 それにしても『誇り高き男』(原題は「THE PROUD ONES」)はいいタイトルだ。

ロバート・ライアン

バージニア・メイヨ

ジェフリー・ハンター

ウォルター・ブレナン

パンフレット(56・不明)の主な内容は
かいせつ/ものがたり/スタアメモ(ロバート・ライアン、ヴァージニア・メイヨ、ジェフリイ・ハンター)/カンサス州

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【ほぼ週刊映画コラム】『キャプテン・マーベル』

2019-03-16 18:26:40 | ほぼ週刊映画コラム
エンタメOVOに連載中の
『ほぼ週刊映画コラム』

今週は

超パワフルなブリ―・ラーソンが参戦
『キャプテン・マーベル』



詳細はこちら↓
https://tvfan.kyodo.co.jp/feature-interview/column/week-movie-c/1183071
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『ビューティフル・ボーイ』

2019-03-15 08:46:27 | 新作映画を見てみた


 音楽ライターの父とドラッグ依存症だった息子が、それぞれの視点から書いた2冊のノンフィクションを映画化。父親役をスティーブ・カレル、息子役をティモシー・シャラメが演じている。シャラメは『君の名前で僕を呼んで』(17)の同性愛に続いて、今度はドラッグ依存症の役。このまま行くと際物俳優になりかねないのでは…と要らぬ心配をしてしまう。監督はベルギー出身のフェリックス・バン・ヒユルーニンゲン。

 時系列を無視し、過去と現在を行き来させてコラージュのように見せるのは、監督の前作『オーバー・ザ・ブルースカイ』(12)と同じ手法だが、まずこれが見ていて落ち着かない気分にさせられる。また、前作のカントリーミュージックに代わって、今回は登場人物の心情を代弁させるようにさまざまな曲が挿入されるのだが、これが耳障りになる。静かな場面に大音量で音楽が流れると興醒めするし、せっかくの役者の演技の印象も薄くなる。ミュージカルやミュージックビデオでもないのに曲が前面に出過ぎているのだ。

 ところが、タイトルにもなったジョンの「ビューティフル・ボーイ」のシーンは意外とあっさりしているのに、ニール・ヤングの「孤独の旅路=ハート・オブ・ゴールド」は目いっぱい流すなど、曲の使い方にメリハリがなく、シーンと音楽とのバランスも悪いから、画面に集中できなくなる始末。いやはや…。

 ただ、何度薬を断っても結局やめられない、平気でうそをつくという、この映画の息子の姿を見ながら、先日、コカインの使用で逮捕されたピエール瀧の姿が重なり、何だか切なくなった。
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『ダンボ』

2019-03-14 20:29:11 | 新作映画を見てみた


 ディズニーのアニメーション映画『ダンボ』(41)を原作とする実写映画。大き過ぎる耳というコンプレックスを翼に変えて空を飛ぶ子ゾウのダンボが、サーカス団の仲間たちと共に、母ゾウのジャンボの救出に挑む。

 「お気に入りのディズニーアニメは『ダンボ』」と語るティム・バートンが監督。確かに、異形の者やアウトサイダー、個性的なキャラクターが活躍し、個性の違いを強みに変えるさまを描く彼の映画群と『ダンボ』には重なる部分がある。

また『ビッグ・フィッシュ』(03)など、サーカスへのこだわりや憧れを描いた過去の映画をほうふつとさせるところも。まあ、そもそもサーカス自体が異形の者やアウトサイダー、個性的なキャラクターの集まりなのだから、通じるのは当然なのだが。

 そういえば、スピルバーグの『1941』(79)で、ロバート・スタック演じる将軍が、映画館で『ダンボ』を見て涙する場面があったなあ。

 ネタバレはもちろん、評論や批評にも解禁があるので、今回はここまで。
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『呪われた城』

2019-03-14 10:16:12 | 1950年代小型パンフレット
『呪われた城』(46)(1997.2.4.)



 ジョセフ・L・マンキーウィッツの監督デビュー作。ヒッチコックの『レベッカ』(40)を思わせる後妻の受難を描いたものだが、同じくマンキーウィッツの傑作『幽霊と未亡人』(47)を先に見てしまったおかげで、両作の間の、合わせ鏡のような、ネガとポジのような、不思議な関係性を見付けてしまった。

 両作でヒロインを演じているのは美しいジーン・ティアニー。彼女が遭遇する事件はどちらも古い家にまつわる幽霊譚であり、そこに置かれた肖像画が事件の鍵を握るというのも同じである。ここまで設定が似ていると、マンキーウィッツがデビュー作に満足せず、暗い話を明るい話に仕立て直して再挑戦したのでは…と勘繰りたくなる。

 実際、この映画はサスペンスなのかラブロマンスなのかはっきりしない弱さがある。当時、リアルタイムでこの映画と『幽霊と未亡人』を見た人は、たかが1年たらずの間に大化けしたマンキーウィッツの変貌に驚いたのではないだろうか。

 ところで、相手役のビンセント・プライスといえば、『ヴィンセント』(82)『シザーハンズ』(90)に出演させたティム・バートン、あるいは「スリラー」のナレーションに彼を起用したマイケル・ジャクソンならずとも、怪奇映画専門の大仰な俳優というイメージが強い。この映画でも変質狂的な役がふられていたが、その若き日は決して容貌魁偉ではなく、むしろ、ちょっとジェームズ・スチュワートにも似た品のいい二枚目だったことを今回知らされた。

ジーン・ティアニー

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