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偉い人への書類は一枚◆瀬島龍三◆書類作成の頭脳から

2010-04-23 22:09:14 | 日記
前回ブログでは瀬島龍三が伊藤忠商事に提出した
「御願之儀」を紹介いたしました。

就活や転職で作成する応募書類について
もう一つヒントになる逸話を瀬島サンから
学びたいと思います。


◆総理大臣への提出書類


大本営エリート参謀だった瀬島龍三は戦後
伊藤忠商事に「再就職」しました。

この頃、伊藤忠商事は自衛隊の主力戦闘機(FX)
の納入でライバルの丸紅と競争をしていました。


瀬島が配属された伊藤忠の航空機部には
役員から瀬島に対し

「総理大臣に提出する戦闘機の性能比較表を作れ」

という指示がありました。

瀬島はしばらくして
戦闘機各機種の航続距離や燃費などを
〇や△で評価した表を

たった1枚だけ作成しました。


◆組織における必要な知恵


なぜたった1枚なのか?

瀬島の部下にあたる小林勇一が訊いたとき

「総理なんてものは忙しくて時間がないから」
「簡単にまとめたものしか見られない」
「エライ人にはこういう書類を出すものだよ」

という事でした。

(新潮文庫「沈黙のファイル」共同通信社社会部編 1996年より)

これは瀬島が大本営作戦参謀時代に身につけた
実践的な事務処理の知恵なのだろうと思います。

「エライ人にはこういう書類を出すもの」

これは私にも経験があるのです。

◆学長に見てもらうには1枚が良い


大学に勤務していた頃、就職に関するデータを
分析して報告書にまとめる時には

「どんな内容であっても2枚以内にまとめよ」

といわれました。

学長に見てもらうためには役員理事会で渡される
分厚い会議資料の中から、わずかな時間で簡単に
ぱっと見て分かるようなものでないと見てもらえない。

私立大学の定例会議では
法人・教学からさまざまな議案が提出されてきます。

※法人とは学校法人の管理部門を指す呼び方です。
※教学とは大学の教育事務部門を指す呼び方です。

エライ人は忙しすぎるので書類をいちいち全部見られません。
だから「簡単な1~2枚」であれば物理的に目を通してもらえます。

このことを実感してきましたので、私は瀬島の知恵に
なるほど、と感心するのです。


◆書類は、見る相手の立場まで考えて作る。


学生であるなら、論理的な文章を作ることはできます。

しかし仕事では提出する相手の立場
(忙しい立場では見る時間が作れないという事)
まで想像して作れることが書類作成の知恵なのでしょうね。

就活や転職で、熱意を示そうとやたら長い文章だったり
枚数だけ多くしても事実上の効果が薄いということが
お分かりいただけるかと思います。


ブログも実は同じ原理がありますので
それではここでまとめましょう。


よい週末をお過ごしください
ではまた

究極の就職突破から◆瀬島龍三の履歴書◆プライドここにあり

2010-04-23 12:38:06 | 日記
こんにちは。

先日、知人経由で紹介があり
転職希望の29歳男性とお会いして
職務経歴書を見ることがありました。

私自身も転職経験がありますし
大学の就職指導を思い出しながら
いろいろアドバイスをお伝えしました。

書類が通過したみたいですから、ちょっと安心。
就活でも転職でも
履歴書・職務経歴書の突破が最初の関門ですね。
ここからインスパイアで書いています。


◆大丈夫(おとこ)のプライド


伊藤忠商事元会長で、2007年に95歳で亡くなられた
瀬島龍三サンが伊藤忠に提出した履歴書があります。

瀬島は大本営参謀のエリートでしたが
敗戦で11年間もシベリアに抑留されました。

帰国しても元軍人には職が無い。

瀬島も己の責任から元部下の再就職を
優先し、自分のことは後回しでした。

瀬島にしても養うべき家族がありました。
大丈夫(おとこ)のプライドだけでは生活できません


◆提出した履歴書に「御願之儀」


元エリート軍人の頭脳に注目した伊藤忠商事が瀬島に対し
再就職の声をかけてきました。

瀬島の反応は
大丈夫(おとこ)のプライドでした。


瀬島は履歴書に「御願之儀」という書類を書き添えました。

「御願之儀」は3つありました。

【その1】
私を面接して人物を見てから不採用というのは恥辱です。
そういうことは御容赦頂きたい。
(自分のプライドを尊重してほしい)


【その2】
シベリア抑留中に言論の自由を奪われたので、
しばらく言論の自由を御願いしたい。
(自分に対し束縛せずに自由を認めてほしい)


【その3】
軍人であったので経済知識が無いことを御了承頂きたい。
(仕事に必要な知識は不十分であることをわかってほしい)


◆心の位取りの峻厳さ


この文章は伊藤忠の人事部に今でもファイルされている。

わらをもつかみたい逆境にいながら「面接、首実検の後、不採用というような恥辱は御容赦頂きたい」といいきる心の位どりの峻厳さに大丈夫(おとこ)の魅力を感ずるのは筆者だけだろうか。

(日経ビジネス文庫「人間的魅力の研究」伊藤肇 2000年より)


伊藤肇サンが感じた瀬島の魅力とは

自分がどんなに不利(求職者の立場)であっても
客観的な自分の能力・主張を偽ることなく表明し

「自分を採用してくれ!!」

と相手にへりくだって迎合するようなことは
絶対にしなかったという部分にあります。

自分の誇りを貫く姿勢という部分ですね。


◆実は綿密な戦略なのか?


この「御願之儀」に関しては

瀬島には自分に相当の自信があったから、
この要求を見せることで自分を強烈にPRしているに過ぎない。
つまり彼の頭脳が編み出した一種の戦術・戦略なのだろう。

とする見方もあります。

大本営エリート参謀の頭脳を冷静に観察してみると

自分の能力がどのように商社で発揮できるのか?

自分の能力(戦力)を冷静に分析し、
相手の戦力を探りだすために要求をして
そこから戦える相手かどうか見極めよう。

ということを無意識に判断していたのかも知れません。


◆見るべきものは、明確な自分の立場と主張


いづれにしても瀬島の「御願之儀」には

<明確な自分の立場と主張>が見えてきます。
これが一番ポイントになるかと思うのです。


★自分の主張や立場は明確にしよう★


就活や転職では、自分の主張や立場を明確にできれば相手(会社)は
<この人を採用するべきかどうか>
の判断が容易になります。すぐに結論が下せます。


履歴書やエントリーシート・職務経歴書を見て、ぱっと人物像がわかる
ものなら、本来面接は不要なものです。
(というくらいの意気込みで応募書類を作りましょう)

では