逝き方

情報がバラバラで昨日はじめて姉の症状で医者がどう言ったのかが少しずつわかってきた「あの状態で運び込まれたら普通3日で終りでした。不思議にもっています」と。それで医者としては最善の処置として延命治療を実施とのこと。脳は脳幹の少しを除いて全滅。
植物人間として生命を保つことは可能。しかし心臓が弱いから心臓の続く限りとのこと。
姉は元気な時にこう言っていた。「倒れたらそのままで。延命処置はいらない」と。僕がキリストなら姉の頭に手を置いて「目覚めよ」と一言で奇跡を起こせるのだけれどその奇跡を信じて昨日駆けつけたのだけど結果は延命処置という現実だった。姉の息子達に「姉は延命治療は望んでいない」と告げなければならないのだけど自然ならそのまま安らかに死は訪れたのだろうけど今は逝き方もオプションなんだから余計なプレッシャーが肩に圧し掛かる。もう意識が戻らない姉の人生は終わっている。貧しければ貧しいなりに終わり方もあっただろうけど揺るがない経済基盤を姉自身が構築しているものだからその決定が容認が僕の手にある。本人の意思を尊重するのか息子達の思いを残してあげるのかその中でオレは一族の長としてどう判断を下せばいいのだろう。姉の額に手を置けば伝わってくるぬくもり。こんな温かい命を殺せとは言えないよな。いつしか命を飼う意識になっている自分に驚愕する。誰もが直面するのだろうけど「延命治療」とはやっかいなものだね。ドナー登録のように意思表示カードが事前にあればいいのに。今日も空を仰ぐ。