マルディが振り返りチラチラと後ろを気にする。いつもなら「行きゆうかね」と声をかけてくれる老姉妹のうちの妹のほうだ。今日は追いかけてきて横に並んだ。「あれ、もう一匹は?」というからランディの事故のことを話すと「うちの猫、知ってるやろう?」「うん、あの犬のようについて歩いていた茶虎でしょう」「そう、あれも死んだ」「エッどうして?」「首の横にグリグリができてね。あそこの病院のICUにはいっちょったけんど」「癌だったの?」「わからん。餌が食べれんなってね。見に行ったら痩せて痩せて」「こないだついに死んだ」「そう」しばらく黙って一緒に歩いてから別れ際に「もうあの茶虎に代わるもんはおらん」とぽつりと言って行ってしまった。その後姿が寂しそうで小さく見えた。時が経てば・・・・・しかないのかな。悲しみって。
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