フェンネル氏の奇妙な生活

気付いた世界の中の小さな出来事と水彩画と時たま油絵と思いついたことを爺さんが一人語りいたします。

アダージェット

2017-04-28 08:55:35 | Weblog

グスタフマーラーのアダージェットを聴きながら「ベニスに死す」という映画を思い出している。セーラー服の美少年ビョルンアンデルセンでしたっけ。老作家の人の名前は思い出せない。それほどアンデルセンの衝撃ということでしょうかね。ヴィスコンティの美の追求といった名画でしたね。その映画に流れていた音楽がマーラーのアダージェット。ゆったりとした美しい響きの交響曲でした。アダージェットは物言わぬ愛の告白の音楽なんだって。道理で美しいと思うはずだ。カラーインクで作った緑を空から撒いたような新緑を見ているとこの曲じゃないかなと思ってしまう。不思議と静かな中に驚きの発見がある。美には身なりを整えるって伏線があるんだと教えてくれる。少し寒いかなって感じる春の光の中では時折、美少年がよく似合うと思うのです。美は衰える、衰えるが故に美 か。「右手にダンビラ左手に手綱、馬上ゆたかな美少年」って日本にも昔はいたんですよ。アンデルセンはこの映画での役によってゲイだと言われるのが嫌で芸能界やめたんだよね。映画と現実。同じじゃないって中々見てやらないから。それでも美しい映画を残してくれたというだけで価値があるんじゃないか。美少年ってきくとこの映画思い出すもの。この頃はスターって者がいて芸人って者がいなかったから印象が強烈だったんだろうね。今では誰でもが何でもやるっていうのが主流だから誰がどの映画に出てたかいちいち覚えてられない。まぁ、アンデルセンも年取ったしオレもりっぱな初期高齢者だからかもしれないがね。

コメント
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