みちしるべの伝説

音楽と希望は刑務所でも奪えない。

邂逅の森

2008年04月21日 | 
熊谷達也「邂逅の森」読了。
みちのくの山の中、大正~昭和初期の貧しい時代、マタギとして生きた男の半生。ラストの凶暴な熊との死闘は壮絶。

・自然との共生、調和
・夫婦愛
・人間性の光と闇

そういったテーマが、入り乱れて、骨太で読み応えのある話だった。

思うこと。現代の恵まれた社会の中では、我が手で動物を殺めることなど、ないのだけれども、直接、手を下すことはなくとも、多くの命を殺めて、動物の命を頂いて、日々の命を永らえていること、忘れてはいかんですね。

あと、一歩間違えれば、命を落とすような体験を、どこかでしておくこと、大切ではないかな?過保護は、人の為ならずというか・・・。

本編には関係ないけれど、ちょっと、メモ。  
人は、歩いた数だけ山を知る。

山のことは山に教われ、獣のことは獣に学べ。

獣には、今に対する恐怖はあっても、未来に対する恐怖はない。

「家に帰って、妻の手を握りたい」
熊に足を喰われ、朦朧とする意識の中で、富治はそのことだけを考えた。
邂逅の森 (文春文庫)
熊谷 達也
文藝春秋

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コメント
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