みちしるべの伝説

音楽と希望は刑務所でも奪えない。

コロー「光と追憶の変奏曲」展

2008年08月31日 | 絵・写真・美術館
昨日、出張ついでに、コロー展を見に行く。
上野に着いたら、フェルメールもやっていて、ちょっと迷ったけど、コローの方へ。やっぱり、いいな。コローの穏やかで詩情あふれる風景画は。ますます好きになった。

絵肌からは、得も言われぬ独特の柔らかさ、やさしさが立ち上がる。柔らかな森の木々、独特の靄、さりげなく配置された人物や動物たちの佇まい・・・、いいんだな。単純に穏やかで心地よいだけではなく、滋味深さ、深く静かな気配がほどよく調和してる。

眺めていると、ほんとうに静かで穏やかな気持ちになってくる。大きい絵よりも中ぐらいの絵の方がいい。神話などを題材にしたものよりも、田舎の何気ない様子を描いたものが好み。

関連する他の画家の作品展示されてて、画風を見比べられるのも、なかなかいい企画。4章の「樹木のカーテン、舞台の幕」の展示の3つ並んだ
・コロー「マリセルの柳」 ・カミーユ・ピサロ「夏の木かげの小道」 ・ルノワール「木かげ」
どれも、引き込まれて、季節ごとに、部屋に飾りたいと思う。


コロー「マリセルの柳」
・・・。


ルノワール「木かげ」


コロー「モルトフォンテーヌの想い出」

響(ともよ)して若葉のなだり吹く風に問はずや過ぎむわが常処女(とこをとめ)
(前登志夫)

花摘み、美しきかな。


コロー「エトルタの風車」
ちなみに、エトルタは、風光明媚なところなんですね。
フランスに行きたしと思へども・・・。


コロー「ヴィル=ダヴレー」
自分、どうして山歩きが好きなのか?少し分かったかも。

展示の解説にあるように、音楽的に絵を味わうのもいいかも。木々の幹や枝のリズム、茂った葉の奏でる旋律・・・。ピアノ的には、マクダウェル「森のスケッチ・野ばらに寄す」との共鳴もあるのでした。

国立西洋美術館ではもう終わりだけど、この後、神戸に巡回(9/13~12/7)なので、関西方面の方にはお勧めです。
森のささやきに耳を傾けてみては、如何でしょうか?
自分もまた行きたいかも。本物は無理として、複製画が欲しいかも!

2008/8/31@国立西洋美術館
コメント
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