みちしるべの伝説

音楽と希望は刑務所でも奪えない。

切羽へ

2008年12月27日 | 
年の瀬に、いい本に出会った。
井上荒野「切羽へ」。「あれの」の語感もよく、「切羽」は、掘り進めたトンネルの端、先に進めない地点を言うのだそうだ。
その切羽に向かう男女の話。

九州の離れ島を舞台に、穏やかに、静かに、話が進む。
淡い色彩で、丹念に綴られてて、よいなあ。しなやかで、艶もある。ちょっと川上弘美さんに近いかも。
この話の夫婦、いい雰囲気で、憧れる・・・。
一応、ピアノ的には、登場人物のうち4名はピアノを弾き、月光ソナタも流れたりもする。
そうそう、九州の言葉が、とても温かった。

井上荒野さん、また好きな作家が増えたばい。切羽は、ほんま、よかとたい。

セイ先生は傘ば差しとらんよ。濡れても平気かと?へいちゃらたい!

しずかさんは桃源郷をさまよっとるごたるね。

直木賞
139回直木賞選評

切羽へ
井上 荒野
新潮社

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コメント
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