みちしるべの伝説

音楽と希望は刑務所でも奪えない。

ピリス「ショパン・エクスタシー」

2009年05月06日 | ピアノ
マリア・ショアン・ピリスのリサイタルへ。
NHKのスーパーピアノレッスンの講師もされていたポルトガルの名ピアニスト。巨匠と呼んでもいいのかな?

後期ショパンの作品が中心で、鈍色の深い芸術性を感じさせる演奏。
ため息が出るようなピアニシモの美音。
背筋がすっと伸びていて、まるでぶれるところがない。
決して急ぐことなく、丁寧に歌い上げる感じ、聴き入った。

チェロのとても深い音色も素晴らしい。ひき込まれる。チェロソナタはあまり知らない曲だったので、深い森の中を彷徨っていたかな・・・。(笑)

ラストの晩年のマズルカは、死者の国から、仄暗く漏れ出す光を見るようで、そら怖しい感じがする。(この曲を、こんなふうに弾いてしまったら、死神に魅入られてしまうんじゃないかな???)

恐らく、ピリス女史としてはアンコールを弾きたい気持ちはあったのだろうけど、アンコールを弾いたら、あの深い余韻は失われてしまうだろうから、アンコールなしは正しかったと思う。

選曲の妙も、なるほどなあと思う。
ソナタ3番、チェロ・ソナタの前後に置かれた小品が、第0楽章、第5楽章という感じで、ソナタがより味わい深いものになっていた。

こういう芸術を目の当たりにして、ひそかに心に期すものが湧いたような・・・。
リサイタルの後、ピアノ会の仲間と話をして、改めて、自分も真面目にピアノに取り組まないと、思ったのだけど・・・。

連休最終日、とても印象に残るリサイタルとなった。



後期ショパン作品集
ピリス(マリア・ジョアン)
ユニバーサル ミュージック クラシック

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自分のショパン・ノクターンのお手本は、このCDだったりします。
ショパン:夜想曲全集
ピリス(マリア=ジョアオ)
ポリドール

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