声を掛けられた。20代の初め理想を語り合った仲間の1人。10歳くらいの孫娘と一緒。その顔を見て思い出した。携帯電話など夢にも思わない昭和30年代の中頃のこと。
突然の残業、約束したコンサートは開演後に入場できない、知ってはいたが急いだ。彼女はしょんぼり待っていた・。
会話の無い食事をし、タクシーで家まで送った。気持ちとは逆に車内は過暖房。彼女が降りた後「ゴメンナサイ」と、曇った窓に書残してあった。それは春一番の荒れた夜だった。
その話を聞かされて間もなく2人は結婚した。
孫はお婆さんの若い頃そっくり。
今日、山口県は春一番が吹いたという。若い頃の仲間の春一番を思い出した。
(写真は雨上がりの岩国城上空の雲)