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全国各地で過疎や少子化に伴い、統廃合が進み、歴史ある学校が廃校になっている。
特に山間部の小さな集落での学校は、地域のコミュニティーの中心にもなっている。そこに子どもたちが突然不在になる。その存在が重要なだけに、卒業生はもとより、地域の皆さんの寂しさとさらなる過疎への懸念は計り知れない。
中国新聞の「旧校舎を訪ねて」の特集で、岩国市内の廃校を利用した町おこしが紹介された。
廃校になった小学校は「地域の財産として活用しよう」と数十年前の卒業生が集まり、町おこしの拠点とし、多くの住民が集まる施設になったという。
給食室では地元のコンニャクイモを昔の製法で作り、近くの朝市に出品。「弾力があり、おいしい」と評判だ。
校舎は改修され、宿泊体験もできる多目的施設に変わり、「都市部と山間部住民の交流拠点にしたい」など大きな夢のあることを紙面から知った。
都市部と山間部の交流活動は、まだレジャーの域を出ていないと世話をする人から聞いた。先のような町おこし活動が軌道に乗り、子や孫らが再び通い始める、そんなねがいを込めて活動にエールを送る。
2008年9月2日 中国新聞「広場」掲載
(写真:紹介された小学校:中国新聞より)