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彼岸花には大きな思い出がある。
2年前エッセイサロンに入会させてもらった。初めての例会で「新聞に投稿し掲載されることがレベルアップの物差しになる」ことを教わった。投稿先とその方法はメモにした。
初投稿は退職してからも思い出していたこと、この思いは何かに残しておきたいと考えていたことを題材にした。それは在職中の気の重くなる仕事「採用試験結果の不採用通知書を学校へ持参する仕事」のことだった。
不採用の生徒へのすまないという気持ちと、よりいいチャンスが与えられるように願いながら校門をくぐったことを投稿した。それは「退職してから、彼岸花を見ると思い出す」という書き出しだった。
初投稿ゆえ期待もせずに過ごしていた。エッセイサロンの代表者から「掲載おめでとう」の電話を受けたときは、歳を忘れて嬉しく思った。2年前の今日のことになる。
初投稿が採用されてからはそれまでの思いが少し軽くなった気する。そして、スタートを祝ってくれた花として「彼岸花」は新しい形で私の中で生まれ変り咲き続けている。毒花ともいわれるがそれはそれでいいとしよう。
(写真:受験生の熱い心が伝わるような彼岸花)