朝8時、祇園祭合図の花火が上がった。毎年のことだが子どもたちの夏休みを待っていたかのように行なわれる。地元氏神様のこの祭り、、由来などは知らないが子どものころから続いている。
楽しい催しの少ない子どものころは多勢の子どもが参加した。子どもの役目は山車を引くことだった。飾りを乗せたリヤカーに長い紅白の綱が付けられている。その綱を子どもが引いて町内を練り歩いた。
終わって菓子袋と一緒にもらう冷たいラムネが嬉しかった。清涼飲料水なんて夢にも思わない時代、シュワーと出る泡の一粒もの溢さないように飲み込んだ。熱中症になる子どもはいなかった。
いつからか飾りを乗せる車はリヤカーから軽トラックに変わり、子どもたちは綱を持つだけに変わった。この軽トラックを1度運転した。目の前の綱を持つ子どもに神経を集中し、運転席を離れた時、汗の多さとのどの渇きに驚いたことを思い出す。
夕方、小さな裏通りまで神輿が入ってきた。日の暮れかけたころ大きな声に揺られながら子ども神輿が通り過ぎた。この夏休み、子どもたちの無事を願いながら見送った。
(写真:裏通りにも神のご加護をと廻る神輿)