日々のことを徒然に

地域や仲間とのふれあいの中で何かを発信出来るよう学びます

龍が飛ぶ

2013年08月04日 | 回想
             
 
 「津軽半島最北端に位置する岬・龍飛崎。車を降りて歩くと強風にあおられよろけそうになる。龍飛岬は標高100mの台地が急に海側に落ち込んでいるため、通年強い風が吹く。龍が飛ぶがごとく強い風が吹くことからその名がある」と知人の旅行記に載っている。この津軽海峡を連絡船で1度だけ渡ったことを思い出した。

 大阪万博の開会(1070年3月14日)前日の夕方、函館に住む叔父が亡くなった。今のように交通手段は豊富でなく、とにかく大阪まで行くことから始めた。そこから新幹線で東京へ。羽田から飛行機で函館に行く心づもりで山陽線の夜行に飛び乗る。万博前夜、夜行列車は満員だった。

 羽田空港から函館空港まではキャンセル待ち。葬儀の旨を伝えると優先的に回すので、カウンター前から動くなという。結局、キャンセルでなく、今は懐かしいYS11に機種変更となり函館に降りた。北海道の雪を初めて目にしその景色に驚く。

 帰路、吹雪で飛行機は望みなしという。連絡船は欠航が何便か続くがしかなし、忌服休暇の残数を気にしながら待機した。深夜、船は揺れるという案内を承知で乗船。函館港を出ると間もなく山から谷、谷から山のような揺れ、瀬戸内では考えられない暗闇の海上を経験した。が、幸い船酔いすることもなく青森着。駅ホームへ通じる階段の凍結に驚いた。

 深夜で吹雪の海上、竜飛岬は当然のこと見ることはかなわない。もし、あの歌が出ていたら歌詞そのままを味わった気がする。1988(昭和63)年3月13日、青函トンネルの開通に伴い、情緒ある青函航路は廃止された。

 函館まで行って帰った、それだけの記憶で写真の1枚もない。それから20年後、5泊6日の北海道旅行をした。飛行機と青函トンネルで津軽海峡を越え、竜飛岬は見ていない。
コメント
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