市の広報誌は20頁ほどのものが月2回発行される。内容は広報というとおり大部分がお知らせ、毎年同月号を並べると日付が異なるくらい繰り返してのお知らせや開示の内容、作成の目的から仕方ないと感じている。広報誌コンクールで選に入ることもあり、全国レベルの内容らしいが、少し読ませる、読んでもらえる工夫を望みたい。
そんな最新号の「すまいる」という人物紹介のページに知人のNさんが『「人のため』を作る魔法の手」という見出しで大きく載っている。初めて出合ったとき、動かなくなった発動機を修理して競う会のメンバーと聞いた。発動機、今の時代に発動機と思ったが、会が運営されるほどマニアの方は多いという。そんな出会いからNさんの話に興味を持って聞くようになった。今は発明家のNさんと呼んでいる。
掲載の中に「陶芸をやっている。ろくろを手で回しているといずれ止まる。家にある廃材で電動ろくろを作った。市販の物は高いので」こんな紹介が載っている。その手製のろくろは昨秋の陶芸教室で、創作に自信のある腕利きが試したところ「こりゃあいい」と太鼓判を押した。陶芸に関しては他にもある。素焼きの後、釉薬をつける。つけた後で手や周囲へ当てないように置くのは苦労している。それを解決する挟み器も製作、みんなに喜ばれている。
子どもたちに竹細工指導もする。その一つ、竹トンボを飛ばせる子どもが少ないので、飛ばす練習装置を考案された。上手くいくとトンボは高く舞い上がり手元に戻る仕組み、納得するまで練習できる。この練習装置、大人も嬉々として楽しんでいる。近々、全国展開のホームセンターでNさん考案の商品が発売される。楽をしたいという横着が出発点と言うNさん、成功は失敗の繰り返しと笑うNさん、興味だけでなくそれ形にするそのすごさに感心させられている。