
桜の見どころ名所の人出はコロナ禍を忘れさせる。でも自治体のポスターには「みんなで力を合わせてコロナに打ち勝ちましょう!! マスク・手洗いをし、ソーシャルディスタンスを保ちましょう」と英文と併記したものが掲示されている。市内の感染者数は増加傾向にある。かたや気をつけろ、かたや経済を、両方ともに分かる。
ということもあり、花見客はいないが見事な桜トンネルを見に行った。そこは、名勝・錦帯橋の架かる錦川を市街地から上流へ向かうことおよそ40㌔。そこには本州で最西端と言われるオオサンショウウオが生息し、夏にはホタルが群舞する錦川の支流がある雙津峡(そうずきょう)の里。その清流の流れに沿って桜が咲き、川を挟む山には一本桜があちこちと咲いている。
桜は、岩国駅から島根県日原駅を結ぶJRの陰陽路線として建設中に、未完成部分が廃線となった路床に植えられ、見事な桜のトンネルになった。廃線の後を観光用のトコトコトレーンが運行され、トコトコから眺める桜は格別だという。この日も、写真撮影の人を何人か見かけただけで、独り占めの桜だった。
この桜トンネルの上流には温泉もあり今は2つの施設が営業している。気の合った仲間と何度か利用したことがあるが、地元の季節の食材をふんだんに使った献立で、松茸や鮎には満足した。散策にも適しており、温泉に食事と合わせ楽しめる。コロナ禍で閑散としたと聞いているが、ソーシャルディスタンスは確実に保てるところです。
(今日の575) 清流に桜ひとひら輝けり