日々のことを徒然に

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飛べないセミ

2024年09月02日 | エッセイサロン
2024年09月02日 中国新聞「こだま」掲載

 
 今夏、貴重な経験をした。車庫の土間に1匹のクマゼミが腹を上に足を動かしていた。セミにはよくあることで、手に乗せると勢いよく飛び立つはずだったが、この日は違った。
 手に乗せてみた。だが、セミは羽ばたくが、飛べない。何度繰り返しても土間に落ちる。よく見ると、左の羽が畳んだように折れ曲かっていた。これで揚力がつかないのだと、私は勝手に想像した。
 土間に放置すれば、鳥やアリの餌になる。そう思い、庭木に止まらせるが、同じように何度も落ちる。
 セミの一生は短いというから保護を決めた。プラスチックの容器に、砂糖水を含ませた綿を小枝にくっつけて、切ったキュウリを入れてすみかにした。ネット情報を参考にした。
 翌朝、私の腕に乗せると、元気に動き回る。飛べないが動けるようになったと思った。大きな容器に土を入れ、枯れ葉やコケを置き、小枝を複数本立てて、新しいすみかを用意した。入れると容器内を動き出した。ほっとした。
 4日目の朝は動きが鈍い、腕に乗せても、じっとしている。その日の午後に動かなくなった。短い一生を終えたセミを庭木の根元に葬り、これまでの経過を自身のブログに残した。

 (今日の575) 飛べぬセミどうしてここに辿り来た
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2 コメント

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セミの短い命は・・ (sibuya)
2024-09-03 14:20:42
 セミは土の中で6年ほどいて 地上に這い上がり
セミになって3日から6日間の短い命の中で
子孫を残して死んでゆく儚い昆虫なのです。
それがセミに与えたれた天命なのです。
 人間だけが長生きする医療と薬が進歩して 
死ぬまで生きるのです。良いのか悪いのか?・・
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sibuyaさん (tatu_no_ko)
2024-09-03 19:01:03
セミは地表に出て1週間の命、子どものころの耳学問を信じている高齢者、そんなことが生き延ばせるならと、やってみました。
勝手なことをしゃあがってと怒っているかもしれません。動物病院に救急搬送は・・・。
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