隣の新築工事が始まったのは5月のGW明けからだった。完成は秋ころ、と聞いていたのでずいぶんかかるんだ、くらいにしか思っていなかった。基礎工事が始まって間断なく続く工事にいろいろ学んでいる。その大方は、家が完成すれば地下に埋もれて見えなくなる内容がほとんどだ。白アリ駆除の装備も地下に施された。
そんな工事場現場の片隅に懐かしい光景を見た。ブリキ製のバケツが真っ赤に塗装され、そこに肉太の白い文字で「消火」と書かれている。子どのころ、通学路には戦後の名残でもある防火用水と書かれたタンクに、必ず備わっていたのは消火用のバケツや桶だったように記憶する。住宅が軒を接して建つ木造家屋地区に防火用水は気やすめだったかもしれないが、今では懐かしい記憶になる。
工事現場で火を使用する工事は見ていないしこれからもないだろう。しかしだ、こうした気の引き締めが、火災を含む工事現場の安全を保つ秘訣になるかもしれない。毎日、仕事が終わると、作業中の資機材は整理されている。現役時代も職場の安全は整理整頓からと、いつも言われていたし掲示もあった。
それでは今風を一つ。工事が始まってしばらくして知った。「防犯カメラ作動中」の掲示があり、見ると掲示の上部に小さなカメラがついている。工事現場の資機材を盗む事件が多発しており、備えとしては欠かせない。消火バケツと防犯カメラ、この昭和と現代の対比は面白いと思いながら、安全の心構えに新旧はないと納得する。
(今日の575) 安全は日頃の備えの積み重ね
現在は 消火器や消火スプレー等に押されてすっかり見なくなった
我家はスプレーで 壁に張りゆいている また新築のお祝いに持参することもある
たいして役には立たんと思うが 火の用心には火災報知器より良いと思う
ちなみに 消火バケツはブリキに限る
消火栓の無い時代、水槽の上に何個かの桶が置かれていた記憶があります。火事は昔から怖いものでした。