空野雑報

ソマリア中心のアフリカニュース翻訳・紹介がメイン(だった)。南アジア関係ニュースも時折。なお青字は引用。

アフル・スンナは氏族間紛争を調停する

2011-12-12 17:20:47 | ソマリア関連
via @somalia_watcher ソマリア・ヲチャ 「アフル・スンナは氏族間紛争を調停する」(2011/12/12)

Bar-kulan Ahlu Sunna brings together rival clans in Garsale, Somali-Ethiopia border 2011/12/11, 12:29 pm

 中部ソマリア,エチオピアとの国境地帯Garsaleで二つの氏族の衝突があったが,Ahlu Sunnah Wal Jamaaが仲介を行ったとのこと。この衝突は4名の命を奪ったが,仲介の結果,停戦したという。

 発表者は在Guriel,ASWJの司法長Sa’eed Sheikh Mohamed氏。当該地区にsenior officialsを送りこんだのだという。
 なお他の自治体を立てる発言も付随しており,エチオピア側Shilabo地区指導部がイニシアティブを取り,講和のプロセスを進めているともいう。

@somalia_watcher ソマリア・ヲチャ 「ちょっとした規模の軍閥、地方政権が日常的に担う機能が現れているんではないかなと。」(2011/12/12)

 全く持ってその通り。
 大仰に言えば,王権(支配権)というものが共同体-間-存在であること―諸村落共同体を大きな単位でくくる機能を担っていることを教えてくれる,一つの例。

 この場合,その裏打ちとなっている強制力は武力だけではない点,別個の興味があるかな。
 穏健Islamist政権だということで,アルシャバブより一般民衆にとって親和的だろう。するとイスラームの先生に仲介されて,イスラームの教えにも調和する合意へ―という抑制がかかる可能性もあろう。しばしば彼らが言うには”ムスリムはムスリムを殺さない”のである。まさか「和解せよ」と言いにきた法学者の目の前で殺戮やっちゃうわけにはいかない。

 ―まあ,そんな宗教学者みたいに宗教方面に力点を置いた説明は,事態の一面ではあるにせよ―もちろん実質的に彼らの裏付けになっているのは,治安維持の実力と実績とでしょうけど。エチオピア側の世俗の施政当局と連携して仕事を進めている点,ASWJのあり方を雄弁に教えてくれますね。

 …で,ムスリム政権がキリスト教国と名指される世俗国家の世俗地方自治体と連携して暴力の噴出をとどめようとしているという話なわけです。
 こうした現実を無視してひとくちに纏めようとすると,それはファンタジー以外の何物にもならない話でもあります。あるいはアルシャバブ的見解にしかならない,ですな。

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