「アンネ・フランクの木」続報

　3月に報道がありましたアンネ・フランクの木の続き。日本語報道はCNNだけかな。

BBC news, Europe Anne Frank's tree wins reprieve

「倒れそうで危ないから伐採」ということで話がきまった，アンネ・フランクの慰めだったトチノキ。このたび，伐採予定が延期されました。接木で残すのでも些か足りない，これここにある，これこそがアンネフランクの木なのだ…という意見に配慮，1月までに保存計画を提出するよう，当局は対応を変更しました。

　生かすには些か，カビに侵されすぎている由。地主さんの心配も解りますが，歴史的な存在ではあるわけで。一応手は尽くすべきかというところです。

　とんでもないお金がかかりそうですけど。

　他方，仙台市名物のケヤキの木も，地下鉄工事のため一部伐採予定。できれば移植したいなぁ…という意見が根強いのです。
　しかしですな，大変ですよ？　ちょっと記事を探ってみると，10本移植を目標にし，費用は1本あたり300万ほど掛かる。
　細い木でも，大人一抱え分位はある大木です。特殊な移動車両の必要は，それはそれとして，作業のためには車道を丸ごと封鎖せねばならぬ。
　…作業は夜間することとして業者さんに泣いてもらうとしても大事です。というかですね，あの木の根を巻くとなると，恐らくまず確実に，道路の舗装をはがす必要があります。数日，道路は，少なくとも車道一本分は使用不可となる―でしょう。

　どうもこの，希望と現実と実現可能性とコスト計算と，充分な考慮が必要だと思うのです。…最初は確か，夢は『全部移植！』とかだったようなおぼろげな記憶が…あるんですけど…。

　念の為言っておけば，私は出来るだけ木を生かす方針に賛成です。殺生は少ないほうが宜しいし。ですけど，樹木に思い入れのない人たちもあるでしょう，彼らに一定の理解をしてもらう必要もあろうと思うのです。
　金銭的な負担は，移転賛成派がすることになるんでしょう，それはいいとして。道路封鎖による不都合，歩道・車道の事後の整備費用（これも300万に込みなのかな）。差し当たり思いつくところでは，こういった点について。