空野雑報

ソマリア中心のアフリカニュース翻訳・紹介がメイン(だった)。南アジア関係ニュースも時折。なお青字は引用。

国連は人権団体抑圧に懸念するという―日本での「反戦団体への抑圧」のメモと他の例との対比

2018-09-13 11:28:30 | ノート
琉球新報 国連、人権団体抑圧に懸念 中ロ含む38カ国、日本も 2018年9月13日 05:35(共同通信)

国連は12日、中国、ロシア、ミャンマー、日本を含む38カ国が人権団体などを抑圧している疑いがあるとして強い懸念を示す報告書を公表した。日本については、人権団体から「政府機関に監視されている」との報告があった。日本政府は監視を否定している
報告書は、国連に協力する非政府組織(NGO)などが活動に関して政府から報復や脅迫を受けていないかを調査するのが目的で、2010年から毎年公表。今年は中国の民主活動家の不法拘束や、ロシアの人権活動家の監視・盗聴などの事案が新たに盛り込まれたほか、日本などのケースが調査中として取り上げられた

関連:「自動化のbotで十分な領域にあえて人間を多数投下する必要は薄いと思う(2018-09-06)」

 コメント欄で
> 誰かが収容所に叩き込まれたとも聞きませんし
云々については、時折、政府方針に反対する運動の関係者が(微罪で)逮捕されたりすることはあり、そのときには「それきた」とばかりに報道がでますね。微罪なりの拘束で済むあたり、法治であるなあと思いますが。


 などと書いたが、例えば平良夏芽氏などは有名どころの一角だろう:

ニュース・ワーカー「辺野古で平良夏芽さんが逮捕された(2006-09-26)」

在日米軍再編の焦点となっている沖縄の米海兵隊・普天間飛行場(宜野湾市)の移転問題。代替基地の建設地として日米両政府が合意している名護市辺野古地区の米海兵隊キャンプ・シュワブ前で25日、反対運動の市民運動グループと警備の警官隊が衝突し、「平和市民連絡会」の共同代表で牧師の平良夏芽さんが、公務執行妨害の現行犯で逮捕された

緊急!平良夏芽さん釈放!処分保留(2006年9月28日)」

9月25日午前9時55分の名護署による不当逮捕によって身柄を拘束されていた平良夏芽です。長い拘留を覚悟していたのですが、全国・全世界の皆様からの激しい抗議が功を奏したのでしょう。昨日(27日)午後1時に釈放されました。二日半の拘留でした。
車に衝突した時に多少の傷は負いましたが、擦り傷・打ち身の程度ですでに回復しつつあります。疲労と断食で体重は3キロほど減りましたが良いダイエットになったと思っています。私は非常に元気です


 とまあ、不当逮捕はないほうが正しいのは確かだが、この場合はその「不当」も二日半で終わる―せっかく”反政府運動の巨魁”を捕える口実を得てもせいぜい拘束二日半で、もののついでに拷問をするようなこともない(「傷」について、拘束中に負ったものではないことが明言される)。いや紛争地帯脳に過ぎる想像かもしれないが、ぶっちゃけ中国とかだと逮捕された不穏分子はとりあえず行方不明になったりするし。

権力とマイノリティ「沖縄・辺野古で抗議活動するダイバーの酸素ボンベのバルブを閉める(2007-07-23)」

沖縄の米軍普天間飛行場を辺野古に移転するに際して、那覇防衛施設局の事前調査を委託されている業者のダイバーと海中でもみ合いになり、平良夏芽牧師の酸素ボンベのバブルを閉められたという。平良夏芽牧師は反対運動の先頭に立っており、不当逮捕されたことがあるが、明らかに狙い打ちされたものと推察される

週刊オブイェクト「【辺野古】互いに相手を殺人未遂と罵る事態に(2007年07月23日)」

これは何ですか、「オウム返し」に似ている気がします。例えば最近、中国産輸入食品の安全性が問題となり各国で輸入禁止措置が取られると、中国政府が「他国の製品にも問題がある」と相手国の輸入品に対し同じ様に輸入禁止措置を取る、といった態度に

週刊オブイェクト「平良夏芽牧師辞任の正式発表(2008年04月03日)」

 この後はあまり表に出ることもなかったような。最近なら山城博治氏が有名か(Wikipedia日本語版)。

産経新聞 国連利用に聴衆冷ややか 人権理事会で「抑圧」アピールの山城博治被告 2017.6.18 00:18

米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古移設の抗議行動で傷害などの罪で起訴された山城博治被告(64)が、スイス・ジュネーブの国連欧州本部で2日間にわたり「日本政府が人権侵害を止めるよう求める」と主張した。「被害」をことさらアピールした山城被告に、チベットで中国当局の弾圧により同胞が命を落とす深刻な人権侵害を訴える団体は冷ややかな視線を送っていた

 まあ産経新聞だから冷ややかに書くかなあ、とも思われるが2頁め

山城被告は人権理事会関連のイベントでも、約50人のメディアやNGO関係者らを前に「私たちへの不当な処遇は政府の圧政にあらがう県民への見せしめ、恫(どう)喝(かつ)であったことは言うまでもない」とアピールした。沖縄タイムスの記者も登壇し、同紙と琉球新報の地元2紙が「政府から言葉による攻撃を受けている」などと主張した

ところが、山城被告らが防衛省沖縄防衛局の職員に暴力を振るう場面の動画に関する質問が飛び出すと、山城被告は「私は日本一のテロリストのように喧(けん)伝(でん)されている」とはぐらかした

 …有刺鉄線を切っての不法侵入や出入りを不自由にするためのコンクリブロック設置による威力業務妨害での逮捕数件で「日本一のテロリスト」というのは、自己の過大評価が過ぎるといわざるをえまい。というか、そんな過大な表現が可能であるというあたり、日本のとんでもないほどの安定振りが示唆されてしまう。

 ちなみにミャンマーでのジャーナリストの取り扱いの例:

関連:「ばっちり落第点(2018-09-04)」

関連:「ロイター記者の勾留は二週間延長(2017-12-28)」

関連:「行方不明のロイター記者は警察の拘置所の中に(2017-12-13)」

 堂々正面からの囮捜査でジャーナリストを捕獲。裁判でも「はい、あれ、囮捜査」という旨を明言する潔さ。いやそれはそれでどうだろう。さらに収監7年を言い渡すアレな状況。いやマズイだろうそれ。

 まあ、ミャンマーはこうしてきちんと情報公開するあたり、まあまだしもですかね、と思えたりする(※紛争地帯脳)。

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