空野雑報

ソマリア中心のアフリカニュース翻訳・紹介がメイン(だった)。南アジア関係ニュースも時折。なお青字は引用。

「移民」労働者と「外国人」労働者をめぐる地獄的なアイディア

2018-10-19 10:00:12 | ノート


「日本に外国からたくさん旅行客がきている」時点で日本が格安であること、今の日本が予定する待遇が魅力的でないことはすぐさま感じ取れるはずである。なお中学3年までの学習内容でわかること(高校入試くらいで問う内容)。



 今現在、日本人であるひとたちをできるだけ中核にして、この「日本人」的血統のうえに次世代の日本を構築しようというための「取り敢えずの緊急避難」として「単純労働は外国人に任せて、日本人は頭脳労働に従事し、同時に出生率を上げる政策を断行する」とまで書く。

 この大胆に踏み込んだ発言に対するコメントが




 こうである。

その「範囲」が見せ金のようなものであり、一般の日本人には「ほぼツケだけ」が押し付けられる未来が見えているのですが」は正当な危惧とみえる。即ち、「頭脳労働に従事」できるかぎりのひとびとに一定の優遇措置がなされるとのアイディアにたいして、実人数が増えれば個々人への優遇措置というのもたかが知れて、効果は限定的である。有意味な効果をだすためには人数を絞らざるを得ない―という。

 そうして、一部の優遇された層に対する一般大衆層の恨み辛みが―というわけ。
 これに対して、その優遇措置の資源をどこから取るかということについて



 …いつぞやの台湾式に、外国人労働者から収奪しようという案。鬼のようである。地獄的な発案、と、戦後民主主義者であれば考えるであろうような。いや現実に行われていたりするが、それを強化しようという恐るべき案。

 コメントしたひとの、あとの「移民は臓器移植のようなものです」は、この辺を読み違っているものとみえ、喩え・反論が成立していない。菊池氏の案は、



 ごく一部の有能な労働者を、いまのうちに(相対的には)高待遇で奪い取るというのであり、比較的安くいけるというのは金銭ではないインセンティブを予定しているからだ。要は現代の日本の自由な空気。これに(それなりに)同化してもらうことを予定しているといえる。
 そしてこうして引き入れる人々の実数はえらいこと少なく、右派のいいそうな”大和民族の血統”にはさほど影響を及ぼさない。そりゃそうだろう、原住勢力1万人に対して一家族4人とか、五家族20人とか、そんな数を予定するだろうところで、これでは原住勢力に飲み込まれる。一億に対して20万人とか。これを10年計画でやったら、ちょっとした数だが。年間4万人を20年計画とかなら、完全に飲み込み予定だろう。

 そうして、そうする一方で、こうした飲み込み予定の移民労働者と同等の仕事である知的産業に従事する人々(現行の日本人)の給料を上げて、こうした人たちに子供を産ませる、というのだ。

 そのための資源は―短期の外国人労働者と、知的産業に従事しない日本人から調達することになり、まあこのへんが地獄的な提案ということになる。

 どうも、上掲コメント者の側は誤解しているようなのだが、「外国籍労働者みなを高待遇にする」ことが主張されているのではない。季節的・短期的な、非専門的・非熟練労働従事の外国人労働者は使い倒し(以前どこぞで国家規模でやったと伝えられるとおりに)、必要な収奪期間が終わったら間違いなく帰国させる。
 他方、継続的に富を生んでくれるような高付加価値労働者については、特に非自由国出身のひとをターゲットに、自由の国であるぞよということをインセンティブにしてこっちに引き込み、日本人として・日本人に同化してはたらしてもらおうというのだ…。そしておなじ二分法を、現行の日本人にも適用しようというのだ……。



 …私は一応仮にも知的産業の末端には食い込んでいるはずであり、まあ自分の貰いが増え、自分(たち)が幸せになりそうな案には賛成したい気もある。が、出身階層が、ど田舎農村地帯の第二種兼業農家・自営業であって…高校までの友人たちは、ほぼまるごと”田舎の低階層”に分類されるだろうところであり…「外国人労働者を二種類:移民を前提とする高級労働者と短期で使い倒して本国に帰らせる季節的労働者にわけ、併せて日本人側もざっくり二分割して扱いを違え、そのうえで”ぼくたち日本人”というファンタジーを維持する」というアイディアは…「うん、グランドプランとしてはそんな感じッスよね」というのと「…お、おぅ…」とヒく気持ちとが混在し、心情的には後者に寄る。

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