空野雑報

ソマリア中心のアフリカニュース翻訳・紹介がメイン(だった)。南アジア関係ニュースも時折。なお青字は引用。

下Shabelle県でアルシャバブが攻勢

2008-11-12 19:23:18 | ソマリア関連
下Shabelle県氏族指導者はIndha Adeを拒絶する:ソマリア」で話題にしました下Shabelle県。Garowe Online Somalia: al Shabaab fighters seize Lower Shabelle towns Nov 11, 2008によれば,下Shabelle県でアルシャバブが幾つか市町を攻め取ったとか。

 表面的には「さあ反政府側の反抗だ! 政府の支配,未だ不足!」なわけですが。勿論,政府の支配力が行き届いていないのはその通り。でも前段に疑問があるのです。

 下Shabelle県都Markaには,《悪名高き》Indha Adeが来ております。彼が到着するとほぼ同時に,彼の元配下,ARSがエリトリアにあった時期にもソマリアで勢力を維持してきたNuriye Ali Farahが暗殺された。

 Indha Adeはこの暗殺の犯人をアルシャバブ構成員とし,Indha Ade配下は3名のアルシャバブ構成員を殺害した―そうです。アルシャバブはこうした動きに対して,Indha Adeの支配を揺るがそうとMarka以外の幾つかの町を支配下に収めた―というもののようで…

 この件も,ARS(エリトリア派)とアル・シャバブの勢力争いの一環の様子です。
 下Shabelleは穀倉地帯。真っ当に耕作されればソマリアのパン籠になる場所,ということで各派とも押えたい場所でしょうけど…

 現に県都を押えてるIndha Adeに人望はなく,これと反目する格好のアルシャバブはそこらで流浪。すぐ隣県にいる暫定政府側はこれを制圧する戦力を抽出できず。哀れなまでの三すくみ状態で,下Shabelle県住民の苦労が思われます。

 なおNuriye Ali Farah暗殺については,Indha Adeが自己の支配を貫徹するためにしたことと思われてる節があり,アルシャバブは無実である雰囲気濃厚です。だって今のソマリアでそんな簡単に暗殺の下手人が捕まるものかと。Indha Ade側が適当にその辺の男性を死体にして『下手人のアルシャバブを始末した』ことにした可能性だってあるでしょう。

 何れにせよ,ARSエリトリア派とアルシャバブとの行き違い,仲違いは継続中。寧ろ広がってるかも。…あと10日もすれば,暫定政府の新閣僚陣が発表されるんだが,『反政府勢力』同士で削りあってるばあいか,君ら…。

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